もっと参加しやすいコミュニティーに――Fedoraの新議長が語るFocus on People(2/3 ページ)

» 2008年02月29日 12時40分 公開
[Bruce Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

全速前進

 Fedoraがコミュニティーとして自立した今、「その精神を前進させ、コミュニティーがFedoraの全責任を負うことで可能性を確実に押し広げていくこと」が自分の基本的な任務だとフリールド氏は言う。

 フリールド氏がFedoraプロジェクトのさまざまな部門を経験していることを考えれば、目標の1つが「参加障壁を低くすること」だとしても驚くには当たるまい。とりわけ非プログラマーが感ずる障壁をなくしたいという。「コミュニティーを成長させ、開発者を増やしたい」。フリールド氏はプログラマー以外の参加はほとんどのFOSSプロジェクトにとっての課題だと見ており、「Fedoraがその先駆けとなるようにしたい」という。

 フリールド氏の見立てでは、問題は、コミュニティーのメンバーになる手順がプロジェクトのwikiに十分説明されていないことではなく、参加の際に自分で行わなければならない技術的な手続きが多すぎることだ。この手続きを自動化し、技術に詳しくない人でも容易に参加できるようにしたいという。

 「世界のどこで開かれているカンファレンスでも、Fedoraブースに気軽に立ち寄れるようでなければならない。インターネットを使って、Fedoraプロジェクトに参加し、自分用のwikiやメールアドレスやWebページなど、オンラインで活動する際に通常必要となるものをすべて入手できるようにする。煩わしいコマンドラインの実行はなくし、参加しやすくしたい」

 また、次のようにも述べた。「公式のメンターシッププログラムが必要という声が高まっている」。しかし、成功には経験豊かなメンバーが中核にいる必要があるが、Fedoraプロジェクトにはそれがないとフリールド氏は懸念している。結論はまだ出していないが、この種のプログラムは延期する方向にあるようだ。

 在任中に実現したいことはもう1つある。それは「グローバルなFedora」の実現だ。今でもFedoraには世界中の人々が参加しているが、「今は、全体に北米中心の傾向」があり、とりわけ欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋の参加を増やしたいのだという。いずれも、Fedoraの利用者が多い地域だ。

 フリールド氏は、言葉の違いが障害になっているのであれば、ローカライズを容易にするWebシステムTransifexが答えになるだろうが、言語は大きな問題ではないだろうと述べ、Fedoraには今でも英語を母語としない参加者が多くいて活発に参加しているが困難な点はほとんどはないと指摘した。

 むしろ、すでにFedoraが普及している地域でFedora Ambassadorsプログラムの展開に力を入れたいという。「こうして話をしている今も詳細を詰めているところで、今年中に大々的に始める。その大部分は個人や企業がFedoraでできることを伝えるという分かりやすいものだ」

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