女子高校生に届け! ITキャリアの魅力をアピールするMicrosoft

IT分野で活躍する女性たちが女子高校生に「オタクや数学の成績が良いことがIT業界で仕事をする必須要件ではない」と説明した。

» 2008年03月31日 13時44分 公開
[Deborah Perelman,eWEEK]
eWEEK

 コンピュータ関連の雇用全体に占める割合が27%にすぎない女性は、IT業界では目立たない存在だ。最近の研究では、女性の比率が今後さらに低下する見通しだ。

 National Center for Women & Information Technologyの調査によると、女性に授与されたコンピュータ科学の学士号の比率は、1983年の36%から2006年の21%に低下した。

 米労働統計局によると、2016年までコンピュータおよび数理科学分野の雇用はほかの専門職より急速に拡大し、その増加率は25%近くになる見込みだ。こういった状況の中、多くの企業や組織では、予想される雇用需給のギャップを埋めるために女性を積極的に活用する考えだ。

 Microsoftでは、ITキャリアを目指す女性の減少を食い止めるために、女子高校生に目を向け、彼女たちにITキャリアの実際の世界を示そうとしている。

 ニューヨーク州アイランディアで開催された第2回年次「DigiGirlz」イベントにはロングアイランド地区の7つ高校から150人余りの11学年(日本の高校2年に相当)の女子高校生が参加した。このイベントでは各方面の代表者が、法務、医療、公共分野、セキュリティ業界などの分野におけるキャリアプランニングと業務内容に関するプレゼンテーションを行った。

 また各分野の最前線で活躍する女性たちが、「オタクでなければIT分野で仕事をすることはできない」という誤解を解くために女子高校生たちに率直なアドバイスを行った。

 イベントを主催したCAで北米地域のコミュニケーション/コミュニティー担当副社長を務めるアン・アグネリー氏は、「わたしは奇妙な運命の巡り合わせでIT業界に身を置くことになった。数学は最低の成績だった」と語った。

 ほかの講演者たちも、IT業界で成功するにはスタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学に入らなければならないと考えていた高校生たちを勇気づけた。

 CAでワールドワイドサービス業務を担当するコリン・ラテル上級副社長は、「わたしは2年制のコミュニティーカレッジに行き、それから4年制の学校に転校した。一流大学に入らなくても成功することができる」と述べた。

 クラスや職場で女性は自分独りだけという状況になっても恐れることはないという励ましの発言もあった。IT業界ではそういったことはよくあることだからだ。

 「正直言って、IT業界は今も男性中心社会だ。しかし怖がってはいけない。彼らと話をすれば、多くの人々があなたと共通の関心を持っていることが分かるだろう」と話すのはMicrosoftの顧客擁護・ライセンシング部門のプログラムディレクター、パティー・カボシック氏だ。

 自分の経験に基づく実際的なアドバイスをした講演者もいた。ニューヨーク州サフォーク郡のCIO(最高情報責任者)兼ITコミッショナーを務めるシャロン・ケイツ・ウィリアムズ氏は、「彼らは徹底的に論争を挑んでくる。会議の前にスポーツや自宅のペンキ塗りなどの話題で男たちが盛り上がり、あなたは疎外感を味わうこともあるだろう。でも気後れすることはない。そういうときは話題を変えればいいのだ」と語り、聴衆の間で大きな共感を呼んだ。

 こういった励ましの言葉が、ITという職業に対する女子高校生たちの関心を高めるのに十分だったかどうかは不明だ。ITキャリアを目指しているある女子高校生の発言は、若い女性の積極的な進出を促すにはIT業界がもっと努力しなければならないことを示している。

 「わたしの学校の女子生徒たちは、ITはオタクの世界だと考えています。カッコ悪いとか、自分たちには無理だと思っているのです」

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