ネット配信戦争勃発?! YouTubeのAPI公開と、NHKのネット戦略オルタナブログ通信(1/2 ページ)

ニフティが「ブログの4割はスパム」という調査結果を発表。しかしIT社会は着実に、仮想化というキーワードと、リアルとの融合へ進んでいる。YouTubeはAPIを公開し、NHKはアーカイブスを利用してネット配信に意欲を見せる――ITにまつわる時事ネタなどを、オルタナブロガーは日々、独自目線で考察し、発信している。

» 2008年04月04日 17時50分 公開
[森川拓男,ITmedia]

世界一有名なコーヒーポットと仮想化社会

 工藤拓也氏「一人シリコンバレー男」ブログの4割がスパムでもインターネットは死なないよ。でも取り上げられたが、ブログサービス「ココログ」を提供しているニフティが、日本のブログの4割がスパムであると発表した(関連記事)

 確かに、最近はブログ検索をしても、機械的に他社のブログから文章を再構築するものだったり、いわゆるスパムブログとして判断しやすいものが引っかかることが多いように感じる。工藤氏が指摘するように、技術の進歩が、逆にスパム増加を生んだのだろう。しかし、それは同時に新技術誕生へのステップであるのかもしれない。

 吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」「世界一有名なコーヒーポット」から15年のコーヒーポットの話題は、懐かしく読んだ。確かに一時期、Webカメラが流行したことがあった。雑誌の編集部でも現在の様子などが配信されていたのを思い出す。こういった映像をリアルタイムで見る必要は、ほとんどないといってよいだろう。ある人は無意味な暇つぶしとして、またある人は単なる覗き見感覚で接続していたのではないだろうか。もちろん、観光地などは、配信しているリアルタイム画像を通じて観光客を誘致しようとしているのは間違いないが。

 そこに意味を付けていくと、マーケティングになり、ビジネスへとつながる。コーヒーポットから15年を経て、現状はその位置にある。

 小林啓倫氏「シロクマ日報」コメントできる展覧会では、ブログを活用した試みが紹介されている。リアルから仮想へと移り、そこからまた何かをリアルへと還元する。これから進められるべき仮想化社会とは、そのようなものだろうか。

 吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」今年の新入社員は「仮想世界型」と名付けてみるでは、今年の新入社員のタイプを、「仮想世界型」と定義した。追記で書かれている通り、社会経済生産性本部は2008年度の新入社員のタイプは「カーリング型」と発表した。しかし筆者は、吉川氏の「仮想世界型」に1票を投じたいと思った。読者はどう感じただろうか。

 仮想化といえば、谷川耕一氏「むささびの視線」MSは仮想化にどこまで本気なのかで、仮想化に対するマイクロソフトの今後の対応についての疑問が提示された。

 これから、IT社会はますます仮想化に向かって進んでいく。これは間違いない。ただし、その旗振り役、推進役が本当の意味でどこになるのか。それぞれがバラバラで、まだ見えてこないのが現状なのだ。今後に注視したい。

『小学一年生』が返り咲いた?!

 ITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」では、150組を超えるオルタナティブ・ブロガーが、ITにまつわる時事ネタなどを独自視点で、日々発信している。この膨大な投稿の中から、筆者目線で話題をピックアップし、読者へとナビゲーションする目的で連載しているのが、「オルタナブログ通信」である。

 今回は、3月20日から26日にかけて投稿された中から、冒頭で触れた「コーヒーポットと仮想化社会」のほか、「YouTube」「新銀行東京」「mixi規約改訂」などといったキーワードに注目した。読者が「オルタナティブ・ブログ」を読む際の参考にしてほしい。

 さて、次のグラフは、今回取り上げる期間を最新とした、オルタナティブ・ブログの可視化である。

3月20日〜3月26日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

 これを見ていただければ分かるように、2月までは比較的高値で安定していた投稿総数が、緩やかな下降線をたどってきている。4つ以上の投稿をしたブログ数は前回と同じなのだが、それらの数もそれぞれ微妙に減少していて、投稿総数の減少に拍車をかけている。年度末も佳境でブログを書いている余裕はない、という人が多いのだろうか。新年度を迎える4月以降、どう推移していくのか注目したい。

 ここで3月17日〜3月23日の週間アクセスランキングから、注目点をピックアップしてみよう。

 1位には、3月3日〜3月9日のアクセスランキングで1位だった「『小学一年生』のふろくがスゴイらしいので買ってみた。」(シロクマ日報)が返り咲いた。3月10日〜3月16日のランキングでは、ベスト10圏外になっていたので驚いたが、ほかのオルタナブロガーが関連する投稿をしたのも影響しているのかもしれない。そういえば先日、筆者が書店に行った際に『小学一年生』を探してみたが、ほかの学年別雑誌がある中、その書店では『小学一年生』だけが売り切れていた。やはり、付録の力なのだろうか。

 2位には、前回取り上げた「「ネット法」について」(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)がランクイン。読者の関心の高さが分かる。同じく栗原潔氏の投稿で、前回取り上げた「良い摸倣と悪い摸倣について」(栗原潔のテクノロジー時評Ver2)も3位に入っていた。これらはネットと著作権に関する問題だ。4位に入った「NHKのもどかしさを感じた、放送記念日特集「新動画時代」」(シロクマ日報)と共に、後述したい。

 それでは、3月20日〜26日にかけてオルタナブロガーが注目した話題を、いくつかのキーワードから振り返ってみたい。

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