「Generation Vが満足できるセキュリティ対策が要」――VeriSignビゾス氏RSA Conference 2008 Report

開催から3日を経たセキュリティイベント「RSA Conference 2008」。米VeriSignの取締役会長であるジム・ビゾス氏は4月9日の基調講演で、3つの事業に注力し、差別化していく姿勢を明らかにした。

» 2008年04月11日 10時20分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 米国時間の4月9日、セキュリティイベント「RSA Conference 2008」において米VeriSignの取締役会長であるジム・ビゾス氏が基調講演に登壇した。「Good Enough is Not Good Anymore」と冠した講演では、2007年に掲げた3つの事業戦略に注力することを改めて強調した。

 ビゾス氏は1995年に創立してから今までのVeriSignを振り返り、認証サービスを提供するサードパーティーとして信頼を獲得できたこと、VIP(ベリサイン アイデンティティプロテクション)事業を要に成長してきたこと、ドメインサービスがまだ十分に浸透していないことを挙げ、2008年向けの3つの事業戦略――「Web認証サービス」「ID保護サービス」「ドメイン名登録サービス」――に注力していくことを示した。

 その中でも「現在十分であると考えられているものが、将来において必ずしも良いものであるとはいえない」――ビゾス氏はセキュリティ技術の今後についてこのように述べた。

image 「1日中コンピュータに触れている人々に提供するセキュリティは、今のままでは不十分」とビゾス氏

 生まれた時からネットワークを介した仮想環境に触れている「Generation V(Virtual)」という世代を例に挙げ、「Webにおけるユーザーエクスペリエンスの豊富な彼らに万全なセキュリティ対策を講じるためにはどうすればいいかを考える必要がある」とビゾス氏は言う。「彼らを取り巻くWeb環境は複雑になり、新たな脅威が次々と発生している。攻撃のレベルが“これまでは十分良い”とされてきたセキュリティのレベルを上回っている」(同氏)。

 企業は、重要な情報をファイアウォールで囲うことで、セキュリティを確保してきた。だがこの考え方をGeneration V世代のセキュリティに当てはめることはできない。億単位のユーザー数に対応する拡張性(スケーラビリティ)を持つサービスを低価格(ローコスト)で提供していくことが今後は必要となるという。これまでエンタープライズ分野が取り組んできたセキュリティ対策とは一線を画すものが求められている。

 「3つの事業に注力して、信頼されるサードパーティーを目指す。ドメイン名登録サービスやID保護サービスなどはVeriSign独自のサービスと位置付けている。強みに集中するとともに、新たなセキュリティの技術も視野に入れながらビジネスを強化していく」(ビゾス氏)

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