MSのLive Meshは開発者の夢をかなえるか?(3/3 ページ)

» 2008年04月25日 08時00分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
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Live Meshの4つのコンポーネント

 パラスニス氏によると、Live Meshのアイデアは、Microsoftが幾つかの重要なトレンドを認識したことから生まれたという。そのトレンドとは、Webがアプリケーションのハブとして浸透したことや、多数のデバイスがWebをリッチコンピューティングプラットフォームとして利用しているために、ユーザーおよび開発者にとってWebがますます重要になってきたことなどである。

 しかしデバイスの間には境界があり、ユーザーのアプリケーションを複数のデバイスやほかのコンピューティング環境で動作させるのは容易ではなかった。

 Live Meshは4つの主要コンポーネントで構成される。「Meshオペレーティング環境」と呼ぶMeshプラットフォーム(ソフトウェア+サービス基盤)は、デバイスメッシュ全体のデジタル設計図を提供する。2番目のコンポーネントは、データセンター内の物理的クラウドサービス環境。3番目は、そのアーキテクチャとクライアントプラットフォームのソフトウェアコンポーネントで、クラウドサービスと接続する。4番目がプラットフォームエクスペリエンス群である。

 オジー氏はMicrosoft社員に宛てたメモの中で次のように述べている――「個人にとって“マイコンピュータ”というコンセプトは、パーソナルデバイスメッシュというコンセプトに取って代わられるだろう。これはユーザーのすべてのデバイスをシームレスな全体としてWebを通じて結び付け、管理するための手段である。デバイスが“自分のもの”であると特定されたら、その構成とパーソナル化設定、搭載されたアプリケーションとその設定、そしてデバイスに保存されたデータが、デバイスのメッシュ全体を通じてシームレスに利用可能になり、しかも同期化される。プロダクティビティからメディア、エンターテインメントに至る広範なシナリオが、デバイスメッシュというコンセプトによって統合、強化されるのだ」

 Cohesive Flexible Technologies(FT)のパトリック・カーパンCTO(最高技術責任者)は、Live Mesh技術に大きな期待を寄せているという。Meshに関する興味深い疑問は「その配備形態は何なのかということだ」と同氏は話す。「CLR(Common Language Runtime)なのか、Hyper-V仮想マシンなのか、それともGoogle App Engineのようなコンパイル済みコードモジュールなのか? Windows Serverが使用されるとすれば、それはどれくらい“見える”のだろうか? あるいはWindows ServerとRESTフルなサービスの両方を呼び出す形になるだろうか?」

 「Cohesive FTではこういった可能性を念頭に置いてElastic Serverプラットフォームを構築したので、わくわくしている。“メッシュ化”に対応する準備もできている」(カーパン氏)

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