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» 2008年06月03日 08時00分 UPDATE

「エイリアン」襲来:ICT3層ピラミッド崩壊のカギはNGN (1/4)

中堅中小企業のビジネス変革のカギを握るともいわれるNGN。NGNが従来の業界構造にどのような影響を与えるのかを考えていく。

[エリック 松永,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック中堅中小企業の経営基盤改革術のコンテンツです。


 NGNにはさまざまな見方がある。前回のICTピラミッドの話でいう「コンサルタント」「システム」「ネットワーク」、さらに「ユーザー」も加えた各視点で考え方は変わる。今回は、NGNを切り札として、通信キャリアがいかにICTピラミッドを崩壊させるかという「ネットワークびいき」の視点でお話したい。

Google、Amazonなどの「エイリアン」の襲来がICTピラミッド再編を加速

 NGN時代のビジネスモデルは、スモールスタートともいわれるNTT東西のペースで、中長期の目標として掲げられる状況なら特に問題視するものではないかもしれない。

 ICTのピラミッドは、ネットワーク、システム、コンサルティングといった歴史的背景を持ったプレーヤーによって構成されており、このプレーヤーだけで戦えるのであれば、NGN時代のビジネスモデルは市場の流れに任せるのもよかった。しかし、そうはいかない事態が起こっている。従来の枠組みに収まるICT業界以外の「エイリアン」の襲来である。彼らは、ICT業界の常識と市場を食い荒らすモデルを着々と進行させている。そのエイリアンの正体は、Google、Amazonといった新興IT勢力だ。

 GoogleやAmazonといったIT企業は、検索エンジン、物販販売の会社ではない。データセンター、ネットワーク、サーバやストレージまでも自社で保有し、そのリソースを外部に対してサービスとして提供している。

 それも単なる場所貸し、サーバ貸しといったリソース貸しの発想ではない。例えば、Googleは、「Big Table」と呼ぶ仮想分散データベースをベースに「Google App Engine」という開発環境を無料で提供している。これは革新的な仕組みだ。デベロッパーはそのプラットフォーム上で無償開発できる。開発環境では、多くの機能を高品質なAPIとして提供しており、デベロッパーはそのAPIをフル活用して1つのサービスアプリケーションを開発する。

 そこで開発したアプリケーションは、APIを駆使しているので、ほかの環境で稼働させることは難しい。一方で、最先端の仮想化技術を駆使したプラットフォームでは、開発したサービスアプリケーションをそのまま本番運用としてサービス提供することが可能なのだ。無料の開発環境と優れたAPIを呼び水に、気がつくと環境から抜け出せなくなるような仕組みになっている。

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 このスキームはICTピラミッド崩壊に向けたシナリオを先取りしている。インターネットを背景に展開しているGoogleやAmazonがそのままNGNのモデルで直接競合するかどうかは分からないが、彼らのビジネスの目的を意識していないとNGNならではの優位性をつくることは難しい。今後は、GoogleやAmazonなどの勢力に目を向けながら戦略づくりをしていかなければ、ICTピラミッドの中で生き残ることは難しいだろう。

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