SNSやブログのスパムから逃れるには新時代スパムへの対処法

ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やブログを悪用してスパムに対処するには、「情報共有が有効」とセンドメール。

» 2008年06月19日 14時37分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 電子メールを悪用したスパムがまん延する中、近年はソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やブログを悪用したスパムが広がりつつある。新手のスパムに対処する方法として、メールセキュリティサービスのセンドメールは「コラボレーション(共有型)フィルタリング」が有効になると説明している。

 SNSやブログを悪用するスパムは、不正に取得したユーザーアカウントを利用して、アダルトサイトやフィッシングサイトへのリンクを付けたメッセージを別の会員に送りつけたり、ブログで誘導したりする手法が知られている。

 こうした手法は、SNSの特徴でもある「信頼性」を逆手に取って会員にスパムの内容を閲覧させやすくする、もしくは会員が公開する個人情報の取得などが狙いだとみられる。電子メールによるスパムへの対策が普及しつつある中、SNSやブログに目を向けるスパマーは少なくない

 SNSやブログを運営する事業者は、ブラックリストや「振る舞い検知」技術などを利用してスパムに対処しているが、センドメールによれば、電子メールのスパムと同様にSNSやブログを悪用するスパムも日々姿を変えており、対策を進めるには限界がある。最近では、不正なアカウント取得を防止するために開発された変形文字「CAPTCHA」を自動解析するボットも出現し、SNSやブログなどでのスパム拡散を狙った手法は、ますます増えていくとみられる。

 同社の小島國照社長は、「趣味の内容を自動的に公開するといったコミュニケーションツールがスパム被害を悪化させる可能性がある。大量のインシデント報告に人力で対処しているのが実情だ」と指摘する。

 コラボレーション(共有型)フィルタリングでは、スパム対策のコミュニティーで最新のスパム情報を共有し、最新の手口に対処する。センドメールの場合、全世界で約3億人の電子メール利用者が参加するコミュニティーがあり、参加者からのスパム情報がフィルタリングエンジンへすぐに反映され、スパム拡散を最小減に抑える。

SNSなどメッセージスパムに電子メールの変換して情報共有する

 SNSやブログのスパムに対処する場合は、メッセージや掲示板、ブログの内容をRFC822方式の電子メールに変換してコミュニティーへ情報を提供する。メッセージサービスやコンテンツ検索にフィルタリングエンジンを適用することで、電子メールのスパムと同様に素早い対処が可能になるとしている。センドメールで検証したところ、コンテンツの種類に依存しないことや、毎秒5500件の処理をしてもスパムの判定精度に影響がないことが確認されたという。

 「私には大学生の子供が2人いるが、友人とのやり取りはSNSを利用しており、電子メールはほとんど使わないという。SNSやブログのスパムにもコラボレーション型の対策が有効になるだろう」と小島氏は話している。

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