Oracleは、BEAの技術を自社のポートフォリオに統合するロードマップを示した。ツールに関してはOracle JDeveloperが基盤になるようだ。
Oracleは、BEA買収後の開発ツールのロードマップを策定した。その中心に据えられるのは、IDE(統合開発者環境)のOracle JDeveloperだ。
Oracleのチャールズ・フィリップス社長とOracle Fusion Middlewareを担当するトーマス・クリアン副社長は7月1日、Webキャストを通じて、BEA Systemsの技術をOracle製品に統合する計画を明らかにした。Oracleは今年、BEAを85億ドルで買収した。
Oracleが強調したのは、同社はソフトウェアを買収して自社の製品ポートフォリオに統合するのが得意だということだ。この数年で何度もそれを経験したからだ。OracleがFusion Middlewareスタックのコアとして、成熟度の高いBEA WebLogic Application Serverの採用を決めたのは意外ではなかった。Oracleが今後も、JDeveloper IDEをツール戦略の中心に据える方針だとしたのが意外ではなかったのと同じだ。
Oracle Fusion Middlewareの製品管理を担当するシニアディレクターのダンカン・ミルズ氏は「ツール分野についていえば、われわれは何年も前から明確なメッセージを示しており、今後もその方針を継続するということだ。すなわち、ミドルウェアを包括的にサポートする単一の開発プラットフォームを維持することだ。JDeveloper IDEがそれだ」と話している。
ミルズ氏によると、BEAの製品用のツールの一部(サービスバスなど)は、いずれJDeveloperに移行することになるという。
「BEAのツールはEclipseベースだが、さまざまなバージョンが存在する」とミルズ氏は語る。
ブロガーのトニー・ベア氏は、あからさまな批判を述べている。
「OracleのEclipse戦略が支離滅裂なのに対し、BEAはツール全般に関して支離滅裂だった。BEAは、最初のWebLogic WorkshopではVB(Visual Basic)のようなアプローチを採用したが、Eclipseベースの後継技術を買収すると当初の技術を捨て去り、既存のインストールベースを混乱させる移行戦略を推し進めた。この分野でOracleがどんな方向に進もうとしているのは明らかだ」と同氏は記している。
ミルズ氏によると、Workshop分野では、Oracleはソリューションを簡素化する方針だ。具体的には、最も強力なバージョンを除くBEA Workshopのすべてのバージョンを廃止した上で、残された強力なバージョンを無償化するというもの。このWorkshopバージョンの従来価格は約900ドル。
「開発者がこれまで慣れ親しんできた環境を離れるとは思えない。われわれはまったく新しい開発者コミュニティーを引き継いだのだ」とミルズ氏は語る。
クリアン氏が強調したのは、OracleではBEA技術のユーザーに対して、Oracle製品や同社が提供するBEA/Oracle統合ソリューションへの移行を強要するつもりはないという点だ。
「われわれは当分の間、Workshopを維持する。長期的な方針としては、Oracle Enterprise Pack for Eclipseを提供する予定だ」とクリアン氏は話す。同パッケージは、企業向けJavaアプリケーションや、JavaBeans技術とWebサービスを利用したアプリケーションを開発するための総合的なEclipseベースの統合ソリューションだという。Oracle Enterprise Pack for Eclipseは年末までにリリースされる予定。
「Oracleのロードマップでは、Fusionポートフォリオの欠落部分をBEAの技術で補完するという方針も示されている」とベア氏は指摘する。
Oracleのブロガー、ジャスティン・ケステリン氏は、同社が進もうとしている技術的方向性についてクリアン氏の説明のポイントを要約している。「今後も引き続き、OSGi(Open Services Gateway Initiative)モデルに沿ってAS(アプリケーションサーバ)のモジュラー化を進めるというのがOracleの技術的方向性だ。JRockitは将来、Oracleにとって非常に重要なJVM(Java Virtual Machine)技術になるが、Fusion Middlewareは今後も、ほかのJVMをサポートする」とケステリン氏は語る。
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