企業でWikiを活用する方法鍵となる3つのステップ(1/2 ページ)

ナレッジ管理という難しい問題に取り組んでいる企業にとって、Wikiは素晴らしい贈り物かもしれない――ただし、それを正しく利用することが条件である。Teragramのイブ・シャベス社長は、Wikiがあなたの会社に向いているかどうか確認し、Wikiプロジェクトを成功させる方法について説明する。

» 2008年07月14日 15時16分 公開
[Yves Schabes,eWEEK]
eWEEK

 Wikiは、Web上でコンテンツを共有したり共同で編集したりする手段を提供する。従業員のチームワークとコミュニティーを促進するとともに、電子メールの量を削減するためにWikiを利用し始めた企業もある。

 しかし、単にWikiを社内ネットワークに導入するだけではだめである。導入プロセスを容易にし、導入の失敗のリスクを最小限に抑えるために、事前に適切な手段を講じる必要があるのだ。導入を成功させるには、以下の3つのステップを実行しなければならない。

ステップ1:自社のITインフラがWikiを処理できることを確認する

 Wikiの利用を開始することを決めたら、最初のステップは自社のシステムがそれを処理する能力があるか確認することである。Webベースのプラットフォームを利用する予定であれば、このステップには、同種のWebベースのプログラム(AOL Instant Messenger、Skype、ソーシャルネットワーキングサイトなど)用のネットワークセキュリティ/Webサイトブロッキングポリシーに準拠するための作業が含まれる。

 従業員がこれらのアプリケーションを使用するのを禁じている企業もある。こういった制約は、社内システムがWikiのように潜在的に大規模なアプリケーションを管理する機能を備えていないことを意味している可能性もある。また、Wikiを運用するのに十分なストレージ容量がサーバにあることを確認する必要もある。サーバの容量が心配だという向きには、プロバイダーのサーバ上でWikiをホスティングしてくれる製品もある。

 企業のIT部門が注意しなければならない問題は、ほかにも2つある。セキュリティとモビリティである。この1、2年、データ漏えい事件が頻発しているため、Wikiのような新しいアプリケーションを配備するに当たっては、IT部門は社内のほかの情報資産と同様のセキュリティを確保しなければならない。社内の各部門には、許可されていないユーザーに対してパスワードで保護する必要がある機密情報が存在するかもしれない。

 また、ITプロフェッショナルはWikiの選定・採用に当たり、モビリティをめぐる問題にも留意しなければならない。情報を取得するのに携帯電話やPDAを利用するのは当たり前になってきており、モバイルワーカーたちは、自分の携帯端末を使って会社のWikiから情報を検索したいと思うからだ。

ステップ2:Wikiの利用を前提として社内ポリシーを修正する

 多くの企業では、Web上で公開されている膨大な数の個人ブログに対応するためにブログ関連ポリシーを策定している。Wikiの利用に対しても同じ姿勢で臨まなければならない。あなたの会社のニーズに適合するWikiを選んだら、次のステップはWikiユーザーに合わせて社内ポリシーを修正ことである。Wiki上の情報の所有権は会社に帰属すること、そしてWikiはコミュニケーションを容易にするけれどもコミュニケーションのルールが変わるわけではないことを明確にしておく必要がある。

 Wikiは企業のアプリケーションであるため、そのコンテンツを業務環境の外に持ち出すべきではない。また、どの部門のどの従業員がWikiのどのセクションに参加できるかをポリシーで規定するだけでなく、Wikiのどのセクションを一般向けに公開するかも明確にしておかなければならない。

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