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» 2008年07月22日 14時00分 UPDATE

Google Gadgetsも利用:スポーツ界にもWeb 2.0の波――IBMとMLBがWebSphere Portalで提携

IBMと米メジャーリーグが結んだ契約は、審判員がGoogle GadgetsとIBMのWebSphere Portalソフトウェアを使ってマッシュアップを作成することを可能にする。この提携は、Web 2.0技術がメインストリーム分野でますます勢いづいていることを示すものだ。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 「Web 2.0とメジャーリーグの出会い」とでもいえばいいのだろうか。

 メジャーリーグ(MLB)の審判員の控え室にあるコンピュータに、スタッフが試合の準備をするのを支援するIBMのWebSphere Portalソフトウェアが組み込まれた。

 IBMとMLBは、ナショナルリーグとアメリカンリーグの30カ所の野球場にあるデスクトップコンピュータにWebブラウザベースの「MLB Umpire Portal」アプリケーションを導入した。IBMとMLBの契約の金額は明らかにされていない。

 これは一般的なエンタープライズアプリケーションではなく、審判員たちはこのソフトウェアを、選手の情報や負傷報告、芝生状態のデータなどにアクセスするための入り口として利用する。

 Umpire Portalは、Google Gadgets(Webポータルページにドロップできる小型アプリケーション)も利用する。これにより天候やグラウンド状態の画像をマッシュアップし、これらの条件が試合に影響するかどうかを判断できる。

 インターネット技術に関心がない審判員でも、Umpire PortalとGoogle Gadgetsを使って情報を比較、相互参照できるようにするというMLBとIBMの取り組みは、Web 2.0マッシュアップがメインストリームになり、プロスポーツの分野にまで進出したことを示すものだ。

 セキュリティとプライバシーを確保するための独自の管理ルールを持っているスポーツの世界に技術が進出すれば、その技術はほとんどのビジネスに有効だと言っても差し支えない。

 MLB Umpire Portalでは、試合の特定のプレーのビデオを表示させることもできる。MLBでアプリケーション開発とプログラム管理を担当するマイク・モリス副社長によると、例えば、「You Make the Call」というトレーニング用ツールでは、物議を醸した判定のビデオを表示し、ルールの詳細な説明が示されるという。

 またプレーに敵意が存在したかどうかを判断するために、Umpire PortalからMLB情報にアクセスし、選手の経歴をマッシュアップして選手の行為を分析することもできる。

 Umpire Portalは、選手が短気なのか冷静なのかを把握するのにも役立つ。Webから取り込んだデータを単一のページに集約することにより、審判員は衝突の可能性の有無を判断する手掛かりを得ることができるのだ。

 Umpire Portalを使ってデスクトップ上で試合のリポートをマッシュアップして、次の試合を担当する審判に申し送りをする機能も用意されている。

 MLBとIBMの関係は非常に象徴的だ。MLBの方は、審判が豊富な情報を入手できるようになる。一方、Webサービスアプリケーションと最先端のアプリケーション開発の分野でMicrosoft、Oracle、Googleなどの企業と競争するIBMは、マインドシェアと市場シェアを獲得することができるのだ。

 こういった提携は、IBMのLotusソフトウェア部門の業績にも貢献している。同部門は7月17日、4〜6月期の売り上げで21%の増加を発表した。

 リーグ運営の効率化を目指してIBMとMLBが協力した分野は、MLB Umpire Portalだけではない。

 MLBでは野球関連の記念品を認証するのに、WebSphere Portalソフトウェアとワイヤレス携帯端末のSymbolを利用して製品に関する情報をスキャン、アップロードしている。

 例えば、ファンがホームランボールをキャッチすると、警備員がそのファンのところに行き、ボールに特殊なホログラムシールを張り付ける。この情報はワイヤレスでMLBのIBM DB2 9データサーバにアップロードされる。

 そのファンがボールを買い取り業者に売ろうとした場合、買い手側はボールの信憑性をオンラインで即座に確認することができる。これは、面倒な手作業で行っていた従来の信憑性確認プロセスと比べると大きな進歩である。

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