Android SDKで失態を演じたGoogle――その対応もお粗末iPhone向けに鞍替えする人も(1/2 ページ)

GoogleはAndroid Developer Challengeで勝ち残った50組のプログラマーにしか最新のAndroid SDKを提供しなかった。保守的な姿勢だ。SDKおよびオープンソース開発方針を全面開示が求められる。

» 2008年07月23日 15時02分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 Googleは7月14日、重大な失策を犯した。Android Developer Challenge(ADC)に勝ち残った50組にしか、Android SDK(ソフトウェア開発キット)を送付しなかったのだ。これは極めて非オープンソース的なやり方だ。

 しかしもっと大きな失態は、この問題をめぐるGoogleの対応だ。同社の広報担当者は7月18日、「数週間後にSDKを一般向けにリリースする予定だが、その前にADCの決勝進出者に最終版のテストを手伝ってもらっている」という回答をわたしに寄こした。

 なるほど。ADCの参加者はSDKをテストする資格がないというわけだ。Androidアプリケーションの開発に熱心に取り組んできたプログラマーに対して、そんなことでいいのだろうか。わたしはそうは思わない。

 Google Android Groupの掲示板には、SDKビルド84853に関する電子メールが掲載されている。Android開発推進担当者のデビッド・マクラフリン氏によると、このメールは決勝進出者だけでなく、ADCの参加者全員にも誤って送付されたという。

 Geek.comでは「50組の開発者がこのSDKにアクセスできるが、それ以外の開発者は今年3月にリリースされた旧バージョンを使うしかない」と指摘している。

 この姿勢に対して、取り残されたAndroidプログラマーたちから怒りの声が上がっており、iPhone向けのアプリケーションの開発に鞍替えするつもりだという人もいる。

 開発者のシェーン・イズベル氏は、次のように述べている。

 「残念ながら、GoogleがSDKを明日リリースすると言っても、わたしにはもうどうでもいい。Googleは閉鎖的だ。Googleはモバイル分野では保守的だ。Googleはもはやリーダーですらない。彼らはAppleの後塵を拝している。Googleの参入で何が変わったのだろうか。モバイルプラットフォームが1つ増えたことか。それとも市場の分断化が進んだことか。オープンソースコミュニティーが苦労して作り上げたOSをキャリアはタダで手に入れるのだ」

 Googleを冷静に観察し、この問題の本質はコミュニケーションの欠如であると指摘する人もいる。Plusminusというハンドル名のプログラマーは、SDKの開発プロセスの開示を求める嘆願署名を開始した。

 今回の失態は、Androidにとって悪いタイミングだった。携帯端末用のWebアプリケーションのマインドシェアと市場シェアの拡大を目指すGoogleは、AndroidをモバイルOSの事実上の標準にしたいと考えているのだ。

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