ABI Researchによると、モバイルインターネット端末市場では2013年までに、モバイルLinuxがWindows Mobileおよびそのほかの競合OSの販売を上回る見込みだ。主要なモバイルLinuxプロバイダーとしては、Moblin、LiMo、Maemoなどがある。
ABI Researchによると、モバイルLinuxは2013年までにモバイルインターネット端末(MID)市場でベストセラーのOSになり、Microsoft Windows Mobileやそのほかの競合OSの販売を上回るという。
MID市場の規模は比較的小さく、2008年のMIDの出荷見込みは30万5000台にすぎないが、2012年には3960万台にまで増加する見込みだ。
「この成長を牽引するのがLinuxだ」とABIの調査ディレクター、ステュアート・カーロー氏は語る。
ABIの報告書「Bringing License-Free Operating Systems to Smartphones and Middle-Tier Devices」(スマートフォンとミドルティアデバイスに進出するライセンスフリーOS)によると、MID市場はLinuxにとって数少ない未開拓市場であるという。
「MID市場では、すべてのモバイルOSがほぼ対等な条件でスタートする。スマートフォン市場に存在したような過去の荷物を引きずっていない」と報告書は指摘する。「そこで競争をリードするとみられるのがLinuxだ。最大の理由は、複数のデバイス分野に対応する統合プラットフォームを同OSが提供できることにある」
「柔軟性、カスタマイズ性、そしてWindows Mobileと比べた場合のコスト面での優位性が、この市場でLinuxが主役になるのを保証しているように思える」とカーロー氏は述べる。
ABIによると、モバイルLinuxプロバイダーのLiMo、Maemo、Moblinは現在、市場が本格的に動き出した時に競争をリードするための地盤作りを進めているという。
LiMoが焦点を当てる主要分野は携帯電話だ。同グループは8月4日、LiMoベースの携帯電話7機種を発表した。LiMoがMIDもサポートすることで、LiMo搭載携帯電話をターゲットとするソフトウェア開発者にとって、開発対象となるハードウェアの選択肢が大幅に増えることになる。
MaemoとMoblinは、それぞれNokiaとIntelがスポンサーとなっている。両プラットフォームは現在、それぞれのターゲット市場に狙いを定めている――MaemoはNokia Internet Tablet、MoblinはIntelのAtomベースのMIDである。IntelとMoblinは「Moblin 2.0」を8月中に出荷する予定だ。
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