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» 2008年08月27日 13時28分 UPDATE

グリーンITと仮想化:グリーンITの現状と課題が見えてきた――JEITAユーザー調査から(後編) (1/2)

データセンターやサーバシステムの専門家は、省電力機器の開発や普及、さらにはデータセンター環境の最適化を通じて、グリーンITを国、事業者、ユーザー企業が総合的に協調して推進することが重要だ。今後は仮想化技術によって電源を完全に停止する技術が非常に効果を発揮するという。

[富永康信(ロビンソン),ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「ブレードサーバでグリーン&仮想化」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


「電力測定ができない」がグリーンITの最大の障害

 ITのグリーン化にあたって、企業や団体では何が課題と考えられているのだろうか。前回に引き続き、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が2007年12月〜2008年3月に行った、IT活用による環境対応や省電力への取り組み状況に関するアンケートの結果から見ていきたい。

 まず、根本的な課題となる「電力測定ができない」を理由に挙げるのが46%と最多で、次いで「(省エネに)過剰な投資はしたくない」が26%、「効率的なリソース活用の方法が分からない」と「データセンターの再設計/構築にコストがかけられない」が同率で24%となっている。前回、IT活用環境での消費電力削減について、「非常に重視している」とする回答が少なかったのも、この電力消費の測定指標が定まっていないことに加え、電力削減への投資対効果が見えづらいことに原因にあるのかもしれない。

 その他、経験が不十分、空調にコストがかかりすぎるといった回答も多かった。

JEITA IT領域での環境対応上の課題。対策方法が分からない、コストをかけたくないというユーザーが多くを占める(出典:JEITAサーバ事業委員会)

現時点では「特に省電力化の行動はしていない」が多数

 そこで、短期的な省エネ対策として実施している施策を尋ねると、「PCのアイドル時の電力抑制」(30%)、「運用管理の見直し/機器の集約・統合化」(27%)、「無駄なIT機器の利用停止」(24%)という実践的な回答もあったが、「特に省電力化の行動はしていない」(31%)が最も多く、本格的な取り組みはこれからといった感じだ。

 また、中・長期的(5年先)での省エネ対策を見ると、「省エネタイプのIT機器へ切り替え」(40%)、「運用管理の仕組みの見直し」(39%)、「データセンターの空調・電源装置を最適化」(27%)と、本格的な施策を見据えている回答が目立つ。

 「データセンターでは、特に空調と電源の最適化が大きな課題となっている」と警告するのは、JEITAのサーバシステムプラットフォーム専門委員会で委員長を務める石橋賢一氏だ。7月16日に東京で開催されたイベント「AMD Green IT 2008」で、今回の調査結果を公表した同氏は、空調関係の悩みとしては、ムラ・ムダを省く、ランニングコスト/メンテナンス対応、空調の老朽化、分散/冗長型空調などへの対応などが多く、電源関連では、データセンター全体の総電力容量の不安、UPS(無停電電源装置)の集約化やコスト高、騒音・放熱問題などを課題に挙げる企業や団体が多かったという。

 「今後、消費電力増に対応する冷却能力の限界、高集積・高密度機器の設置に伴う局所的な熱だまりなどが問題となってくるだろう。それに対処するためには、サーバ統合や仮想化といった技術を活用した余剰ITリソースの効率化、IT機器やファシリティなどの制御による運用管理の効率化、電力量の見える化などに取り組む必要がある」(石橋氏)

JEITA 「今後、データセンター全体の電源不足や冷却能力の限界が大きな不安要素となる」と語るJEITAの石橋賢一氏
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