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» 2008年08月31日 07時30分 UPDATE

今日から使えるITトリビア:カリスマ経営者の変人ぶりと日本のヘンジン会

「変人」と言えば、田中眞紀子代議士が小泉純一郎元首相を称した言葉だが、ビッグネームには多かれ少なかれ、変人ぶりや奇行のウワサがあるもの。今日のIT時代を築き上げたスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツにも数々の逸話が。もちろん日本にだって!?

[吉森ゆき,ITmedia]

ヒッピーとスピード狂と偏食家

 IT業界の“変人”と言って、まず名前が挙がるのはこの人、アップルのCEO、スティーブ・ジョブズだろう。現在でも、よれよれの黒いタートルネックとボロボロのリーバイス製ジーンズ、ニューバランス製スニーカーという出で立ちで基調講演などを行うジョブズだが、昔から身だしなみにはあまり気を使わなかった。自らがアップルに招いたジョン・スカリーと対立し1985年に一度はアップルを去ることになるジョブズだが、当時はヒッピーを気取って裸足でオフィスを歩き回り、異臭さえ放っていたというエピソードがある。

 また、口の悪さも有名。自分の嫌いなものには「Shit」と平気で言ってしまう。部下に対して罵声を浴びせてクビというのも、よくある話(アップルでは解雇されることを「スティーブされる」と言う隠語が生まれたほど)。日本人については、「日本人は死んだ魚のように岸に押し寄せてきた。まるで海岸を埋めつくす死んだ魚のようだ」と、米プレイボーイ誌1985年2月号で語っている。ただし、ジョブズ自身は日本が嫌いというわけではないようで、特に菜食主義者の彼は日本食を好んでいる。また、日本の禅宗の熱心な信者としても知られている。

 日本つながりの“変人”と言えば、オラクルのCEO、ラリー・エリソンの存在も忘れてはならない。スティーブ・ジョブズの親しい友人でもあるエリソンは、日本文化が大好きだ。サンフランシスコ郊外のウッドサイドにある私邸は、耐震構造の日本建築で、桂離宮を模している。エリソンが日本文化に興味を持ったのは、オラクルを創業する以前、IBM互換機ベンダーのアムダールでプログラマーだった時代のこと。アムダールは現在、富士通の子会社になっているが、エリソンが働いていた当時も富士通の影響下にあり、日本に出張した際に日本文化に触れ、その魅力の虜になったということだ。

スティーブ・ジョブズ 1989年、日本でのNeXT発表会にて。いつもはジーンズ姿のジョブズがタキシードで登場し、聴衆は度肝を抜かれた――

 一方でエリソンは、スピード狂としても知られている。自家用ジェット機や全長100メートルを超える大型ヨットを所有するなど乗り物が好きなエリソンだが、車にも相当入れ込んでいる。アウディR8やマクラーレンF1などのスポーツカーを所有しており、今ではホンダNSXが大のお気に入りとなっている。

 そして、スピード狂と言えば、マイクロソフト会長、ビル・ゲイツもその1人。ハーバード大学の学生時代からポルシェ911を乗り回し、スピード違反で逮捕された過去もある。フォードのマスタングやフェラーリなどを乗り継いで、現在はレクサスを所有する。

 ゲイツにも、さまざまな変人ぶりを示す噂が絶えない。有名なところでは、ジャンクフードが大好きな偏食家で、マクドナルドのフィレオフィッシュには目がないというもの。ほかにも、コカコーラのチェリーコークが大好きだが、日本で発売されていないために、来日時に米国から空輸したというエピソードがある。ちなみにチェリーコークは、1985年と2006年に日本でも発売されたことがあるが、日本人好みではないらしく、いずれも数カ月で販売終了になっている……。

日本には2000人を超える変人グループが

 日本のIT業界では、強烈なキャラクターの創業者が少なく、変人伝説もあまり聞かない。その変わり、ヘンジンの集団があるという。日本を代表するITベンダーであり、総合電機メーカーの日立製作所の話だ。

 日立には、数多くの博士号の学位を持った技術者がいる。そのドクターたちが集まってできたのが「日立返仁会」である。「返仁」はもちろん「変人」が語源。創設者は、日立製作所の創業メンバーの1人、馬場粂夫だ。1952年に日立に在籍する博士が30人に達したのを機に発足した「三十人会」が始まりだという。1953年には、馬場粂夫の持論に基づいて「変人会」と名を改め、さらに1959年に恩を返すという意味の「仁に返る」を掛けて「返仁会」に改称した。以来、50年にも渡って続いており、現在では2000人を超える日立の“変人”たちが在籍している。日立の研究活動の中心地、東京・国分寺の日立中央研究所には、「返仁橋」という橋もある。

 ちなみに、返仁会を創設した馬場粂夫の孫にあたる人物が、ホイチョイ・プロダクションズの馬場康夫だ。父は日立製作所の幹部、本人も日立の社員だった経験を持つ馬場康夫が監督した映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」では、日立製の洗濯機がタイムマシンの役割を果たす(主演の広末涼子がこの洗濯機に入ることで過去にタイムスリップしていた)。これは馬場家と日立の強いつながりによるものだ。

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