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» 2008年09月17日 06時15分 UPDATE

iPhoneにフォーカスする日本オラクル

iPhoneのタッチ操作や大画面などの特徴が業務アプリケーション利用にインパクトをもたらすとして、日本オラクルではiPhone対応を推進中だ。

[國谷武史,ITmedia]

 「iPhoneはビジネスアプリケーションの利用に変革をもたらす」――日本オラクルは9月16日、同社製品のAppleのiPhone対応に関する記者説明会を開催。国内企業へのiPhone導入を狙い、ソフトバンクモバイルなどとも準備を進めているという。

 第3世代携帯電話規格(3G)対応のiPhone 3Gが発売された7月11日、米OracleはiPhone向けアプリケーションを提供するApp Storeで「Oracle Business Indicators」の無償配布を始めた。Oracle Business Indicatorsは、Oracle 10g上のデータをiPhone上で閲覧するためのアプリケーションである。

oracleiphone1.jpg 西脇氏

 OracleがiPhoneに注目する理由について、日本オラクル製品戦略本部の西脇資哲シニアディレクターは、画面を指でなぞりながら操作するマルチタッチユーザーインタフェースや大型ディスプレイが、アプリケーションの利用スタイルに新しい可能性をもたらすと説明。ユーザーが直感的に端末を操作しながら、モバイル環境でERPやCRM(顧客関係管理)、SCM、PLM(製品ライフサイクル管理)など事業戦略の迅速な展開に欠かすことのできないソフトウェアの情報をリアルタイムに利用できる。モバイル端末を活用することで、ビジネス上の意思決定を迅速に行うことができるという。

 また、端末から直接App Storeへ接続してアプリケーションをダウンロード、インストールするという配布形態が、アプリケーションの提供方法に変革をもたらすとも語った。同氏によると、米国などではiPhoneを持つ個人のユーザーがApp StoreでOracle Business Indicatorsをダウンロード入手している。

oracleiphone02.jpg CRMアプリケーションによる利用イメージ

 「ビジネスアプリケーションの世界に、アプリケーションを自由に組み合わせて利用するマッシュアップといったWeb2.0の要素が広がりつつある。iPhoneの登場によって、その流れがさらに加速すると期待される」(同氏)

 例えばCRMの顧客情報とGoogle Maps、内蔵GPSを連携させれば、営業担当者の活動状況を報告書ベースではなく、リアルタイムに把握できるようになる。西脇氏は、こうしたアプリケーション連携を容易にするために、「Oracle Business Indicatorsをインストールベースのアプリケーションとしている点に注目してほしい」と話した。Oracleは、iPhone以外にもBlackBerryやSymbian、Microsoft Windows Mobileなどのスマートフォン、PDA端末をサポートしているが、現状はWebブラウザでデータベースの情報を閲覧する形だ。

 Oracle Business Indicatorsを利用するには、まずiPhoneからApp Storeに接続してアプリケーションをダウンロード、インストールする。アプリケーションを起動して、接続先サーバの情報とユーザーID、パスワードを登録すれば、データベース上の情報をすぐに参照することができる。iPhoneから接続する上でサーバ側での設定変更をする必要はないという。

 セキュリティ対策では、ユーザーが端末を紛失してもサーバ側で端末からの接続を無効に設定すれば、第三者がユーザーになりすましての不正アクセスができないようになるとしている。Oracle Business Indicators自体にも閲覧したデータは残されない。

 Oracleでは、今後端末側に搭載したデータベース機能との連携や、iPhoneに対応した認証システムとの連携も視野に入れ、企業がiPhoneを利用していくための基盤整備を進める。西脇氏によると、日本オラクルではiPhone 3Gを販売するソフトバンクモバイルと法人展開に向けた具体的な戦略について検討を進めている。多数の端末を企業ユーザーが集中管理できるようにするための仕組みや、より強固なセキュリティ対策の実現などが中心になるという。

oracleiphone03.jpg Oracle Business Indicatorsの日本語は提供準備中だが、参照するデータは日本語でも閲覧可能

 だが、iPhoneを企業で利用していくためには課題も多い。例えば、アプリケーションの配布はApp Store経由でしか行えないが、企業でiPhoneを利用するためには情報システム部門がアプリケーションの配布や管理をできるようにもすることが望ましいと西脇氏。また、バッテリー駆動時間も1日中外出している営業担当者の使用に耐えるのかも未知数である。「アプリケーションのライセンス形態や端末の性能など、確かにわれわれだけではクリアできない課題もあり、各社の取り組みによるところもあるが、協力できるところは推進する」(西脇氏)

 ソフトバンクモバイルは、このほど開催した販売代理店向け説明会でiPhone 3Gの法人販売を推進すると表明した。西脇氏は、「われわれは企業システムに明るく、1社で数千から数万のアプリケーションライセンスを有する大企業ユーザーも多い。iPhoneへの対応を進めることで、ビジネスアプリケーションの世界にモバイルを浸透させることができるだろう」と話した。

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