ニュース
» 2008年09月22日 09時11分 UPDATE

IBM、Lotus NotesのSaaS版を提供へ

IBMは、エンタープライズアプリケーションを現代的なWebサービスやWeb2.0の世界へ導くホストバージョンのLotus Notesを投入する計画だ。激しい市場競争の中では明確な差別化が不可欠だ。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 IBMは、エンタープライズアプリケーションを現代的なWebサービスやWeb2.0の世界へ導くホストバージョンのLotus Notesを投入する計画だ。しかし、市場にはすでに膨大な数のSaaSメッセージング、コラボレーションスイートがひしめいている。IBMが成功するためは、ソーシャルソフトウェアや3Dツールの提供など、市場での明確な差別化が不可欠だ。

 SaaS(サービスとしてのソフトウェア)に人々の熱い視線が集まる中、IBMはホストバージョンのLotus Notesを近く市場投入する。

 IBM LotusソフトウェアおよびWebSphere Portal担当ゼネラルマネジャー、ボブ・ピッチャーノ氏は9月17日、InteropでWeb2.0コンピューティングをテーマとするキーノートスピーチを終えた後、eWEEKの電話取材に応え、ホストバージョンのNotesは従業員数が1000人から1万人規模の企業をターゲットに、ユーザーあたり月額8ドルから18ドル程度のコストで提供することを明らかにした。

 「非常にアグレッシブな価格体系になるだろう」とピッチャーノ氏は強調するが、数週間以内に正式に発表するとだけ述べ、それ以上の詳細については明言を避けた。

 新しいサービスによって、Lotus Sametimeインスタントメッセージング/VoIPなど、IBMの伝統的なオンプレミス型コラボレーションアプリケーションは、Microsoft Exchange Onlineの強力なライバルとして浮上するだけでなく、大手顧客の獲得にしのぎを削る独立系SaaSコラボレーションプロバイダー各社にとっても大きな脅威になることは確実だ。

 ただし、Lotus NotesのSaaSバージョンがCallWaveやYuuguu、Yugmaといった小規模顧客ベースを狙うベンダーと競合する可能性は低い。また、Jive SoftwareやAwarenessなど、ソーシャルネットワーキングツールを提供するベンダーとも直接は競合しないだろう。

 IBMがエンタープライズ向けソーシャルソフトウェアのLotus Connectionsを統合しない限り、これらのベンダーは安泰だ。

 もっとも、市場に膨大な数のSaaSコラボレーションベンダーがひしめき合う現状からみて、IBMがホストバージョンのNotesに、アバターでチャットを起動できる3Dコラボレーション機能などとともに、今後Lotus Connectionsを統合する可能性は十分考えられる。

 SaaSコラボレーションソフトウェアは今日、身の丈に合わないお仕着せのソリューションに不満を持つ顧客層の間で急速に支持を集めている。

 とくに経済不況に直面する企業の場合、ユーザーあたり月10ドルといった料金体系は、ソフトウェアをまったく利用しないユーザーの分まで含めて一括で支払うより、はるかに魅力的だ。

 しかし、IBMの狙いに勝算はあるだろうか。同社にとって、いまも最大のライバルはMicrosoftだ。IBMとMicrosoftは何年も前から、コラボレーションソフトウェアをめぐって激しい勢力争いを繰り広げてきた。

 Lotusグループが毎四半期20%ほどの増収を続けているのは周知の事実だが、IBMはそれ以上の具体的な数字を発表していない。一方、Microsoft SharePointは売上10億ドルを超えるビッグビジネスに成長している。IBMがNotesスイートで、そうした数字を達成するのは容易ではないだろう。

 ピッチャーノ氏は、Web2.0技術を単に楽しむだけでなく、そこからどのように適正な利潤を引き出すかが重要だと指摘して、Interopのキーノートスピーチを締めくくったという。

 IBMが自社のエンジニア、顧客、ビジネスパートナー、そして研究者のコラボレーションのために、1500万ドルを投じてIBM Social Software Centerを立ち上げた理由の1つは、まさにそこにある。

 「今後継続する投資に十分見合う利益が得られるかどうか注視していきたい」とピッチャーノ氏は語った。

過去のニュース一覧はこちら

原文へのリンク

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ