Androidの父、モバイルの未来を語る

Androidの生みの親アンディ・ルービン氏は、センサーが携帯電話をよりスマートにし、持ち主の状況や好みを把握して便利な情報を知らせるようになると予測している。

» 2008年09月24日 14時19分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 GoogleのAndroid OSの生みの親アンディ・ルービン氏は9月19日のブログで、モバイルコンピューティングの将来についての興奮を語った。

 このエントリは、9月23日のGoogleとT-Mobileの初のAndroid携帯発表前に、ユーザーの好奇心を刺激するタイミングで書かれたものだが、ブログ界ではほとんど話題になっていない。

 Google観測筋はおそらく、マリッサ・メイヤー氏が検索の将来を徹底的にブログで語って以来、Googleが繰り出してきた予言ブログにうんざりしているのだろう。だがわたしは、Android Dream(G1)のリリースが迫った今(訳注:本稿はG1発表前の9月22日に掲載された)、ルービン氏に注目するのは重要だと思っている。

 同氏は一度もAndroidやT-Mobileというキーワードには触れていないが、わたしは同氏の公式声明を、今後10年間Android搭載デバイス、またNokia、Apple、Microsoftの携帯電話に期待できることを鋭いまなざしで見たものとして読んだ。

 世界には約32億人の携帯機器利用者がいることに触れ、ルービン氏は、携帯電話のセンサーが時計、温度計、加速時計、さらにはコンパスにも利用されると述べている。ユーザーの位置を計算するセンサーや、バッテリー残量を測定するセンサーもある。

 センサーは遍在化するとして、同氏は以下のように記している。

 携帯電話は持ち主の周りの世界をよく知っている。その知能をクラウド内でほかの携帯電話の知能と合わせると、今世界で起きていることを垣間見ることができる。気象情報は数百ではなく、数千万のセンサーから得られ、交通情報はヘリコプターやロードセンサーではなく、交通渋滞にはまっている携帯電話(とユーザー)の密集度、速度、方向から得られるだろう。

 携帯電話は持ち主の状況を把握して、注意が必要になったときには警告を出すようになるだろう。今はチケットが発売されたときにニュースや通知を受け取っているが、モバイルWebアプリがクラウド内で持ち主の好みを監視して、それに合わせて通知する情報をカスタマイズするようになるだろう。

 例えば、携帯電話にスーパーGPSシステムが搭載され、自分の現在位置や道順だけではなく、悪天候や工事による通行障害などの予想外の問題が起きたときにそれを教えてくれるようになるだろう。ほかにも、センサーでバーコードを読み取って、ショーウィンドウにディスプレイされている商品の価格を携帯電話で知らせるなどの用途が考えられる。

 向こう数年のうちに、位置情報を基にしたよりスマートな通知機能を組み込んで、Webアプリケーションでコラボレーションやクラウドソースしたり、コンテンツを共有できるようになるだろう。

 今も多くのソーシャルWebサービスが存在しているが、ルービン氏が予測しているのは、例えばTwitter、OpenTable、Yelp.comなど複数のさまざまなWebサービスを統合したものだ。

 「Webに近所で一番面白い場所を聞くと、ほかのユーザーがアップロードした近所のスポットのレビューや画像を携帯電話が教えてくれる」とルービン氏。ユーザーはその携帯電話のブランドの位置情報アプリ(Google、Nokia、Yahoo!など)から道順を入手する。

 最後に、同氏が考える「古くならないデバイス」では、携帯電話がオープンになり、プログラマーが新しく興味深いアプリケーションを開発するだけでなく、携帯電話上の既存のアプリケーションをアップデートするのも容易になる。安全である限り、便利で素晴らしいことだ。

 わたしはルービン氏のモバイルWebへの熱意を賞賛するし、われわれは同氏を近視眼的と批判することはできないだろう。だが多数の携帯マニア――その多くはAndroid登場に過剰な期待は寄せていない――同様に、わたしには幾つかの疑問がある。

 ルービン氏が信奉する機能のうちどのくらいがT-Mobile、Sprint、その他のキャリアが提供するAndroid携帯に載るのだろうか? それはいつになるのだろうか?

 GoogleにはApple、Nokia、Microsoft、ほかのモバイルデバイスメーカーの先を行くためのモバイルアプリケーションのロードマップやスケジュールはあるのだろうか?

 Dream(G1)の立ち上げイベントでこれらについて聞いてみるつもりだ。

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