2009年の世界IT支出、金融危機の影響で鈍化――Gartner予測

ドットコムバブル崩壊時ほどのダメージはないが、2009年のIT支出額は鈍化する見通しという。

» 2008年10月15日 08時19分 公開
[ITmedia]

 世界的な景気低迷がIT予算に影響を与えているものの、ドットコムバブル崩壊時のような劇的な予算削減はない――米調査会社Gartnerが10月13日、報告した。

 2009年の世界IT支出額は、最悪の場合、同社のこれまでの予測である前年比5.8%増を下回る、2.3%増にとどまる可能性がある。だがドットコムバブル崩壊時にみられたような、IT予算の伸びが2けた台半ばから1けた台前半まで切り詰められるといったような、大幅な予算縮小は起きないと指摘している。

 Gartnerは、先進国、特に米国と欧州は金融危機の影響を最も受けるが、新興国もその影響を免れないだろうとする。2009年の欧州のIT支出額はマイナス成長、米国と日本は横ばいという予測だ。

 景気後退にもかかわらずドットコムバブル崩壊時のようなIT予算の大幅削減が起きない理由として、企業がITを事業改革の手段として見ていること、よりコスト削減につながる事業モデルを採用していることを挙げている。またGartnerはそのほかの理由として、ITが事業運営全般に組み込まれていること、ITプログラムが数年にわたる計画として事業に統合されているため即座に削減できないこと、景気後退からIT予算削減まで少なくとも2四半期の時間的なギャップが出ることなどを挙げている。

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