BIのレポート作成機能で仕事を効率化

ビジネスインテリジェンス(BI)におけるレポーティング機能の活用について説明します。

» 2009年01月27日 07時00分 公開
[猪瀬森主(マイクロソフト),ITmedia]

 BIのレポーティング機能とは、蓄積されたデータを表形式やグラフといったグラフィカルな形で目に見えるようにする機能を指します。このようなレポーティングのための製品には、スケジュールに沿ってレポート閲覧者へ配信を行ったり、閲覧者が希望するデータを抽出してレポート作成する機能なども備わっています。

 社内に散在するさまざまなシステムのあらゆるデータを統合し、グラフィカルに出力することで「見える化」を促進するのがレポーティング製品の役割です。もちろん、本来のBIに求められるような高度な分析を行うこともできますが、レポーティング機能は集計を自動化するという点でも非常に便利です。これにより、日々の業務を大幅に効率化することができます。

 それでは、今回はよくある集計作業の負荷をレポーティング機能によって、劇的に軽減する方法を見ていきましょう。

売上の集計とそのレポート作成で1日が終わってしまう……

 会社の売上状況などを全員で共有するための定期的なレポート作成。これを普段から使いなれたExcelを駆使して行っているケースは非常に多いと思われます。しかし、社内にはさまざまなデータが異なるフォーマットで散在し、それを集約するのは並大抵のことではありません。データを集約して、きれいなグラフや表でまとめる作業に1日を費やしているということがないでしょうか。

 このようなときにレポーティング機能を利用すれば、社内に蓄積されたデータを自動的に集計し、美しいグラフやテーブルで可視化することができます。その閲覧にはIEなどのブラウザが利用でき、毎日集計された最新のデータが美しいフォーマットで確認できるのです。

 マイクロソフトのSQL Server 2008を例にとると、Reporting Servicesという機能により棒グラフや線グラフ、バブルチャートなど数十種類以上のグラフテンプレートを用意しており、多様な表現を行うことができます。またデータソースはSQL Serverのみならず、OracleやTeradata、CSVなど多数対応しているため、社内のシステムとの親和性も非常に高いといえます。さらに「レポートビルダー」と呼ばれる新しい開発ツールでは、Officeアプリケーションと同じような感覚で上述のようなレポーティングサイトを作成することができます。

多彩な表現 レポーティングツールによる多彩な表現の例

さまざまなフォーマットのレポートの作成を依頼される……

 さて、このように便利なレポーティング機能ですが、フォーマットが定められたお仕着せのレポートでは物足りなかったり、上司や同僚により見栄えのよいもの頼まれたり、あるいは自分自身でも細かい分析のために定型以外のレポートを作成したいということがあるでしょう。そのため、レポーティング機能は非定形のレポートを作成する機能や、他形式のファイルにダイレクトに出力できる機能も重要になります。

 前述のSQL Server 2008 Reporting Servicesでは、ブラウザのビュアー画面からExcelやWord、PDFなどのデータ形式に出力することができ、より深い分析を行うことができるようになります。またレポートサーバ上に配置されているレポートモデルに基づき、エンドユーザー側でレポートビルダーを使用し、アドホックに非定型レポートを作成することも可能です。

レポート形式 さまざまなレポート形式の例

 レポーティング製品は数あまたあり、それぞれ一長一短があります。ここで紹介したSQL Server 2008は、データを活用するBI機能を標準で装備しているため、コスト面でメリットがあります。レポーティングをリーズナブルに開始するには適した製品の1つです。

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