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» 2009年06月05日 08時00分 UPDATE

“Smarter”な世界を目指し:企業システムはエンタープライズクラウドの構築へ向かう――日本IBM諸富氏 (1/2)

IA製品市場における仮想化技術の一般化、クラウド型サービスの浸透などにより、大規模なITリソースをプールし得る高集積型ハードウェアへの需要は高まる。企業システムが目指すべき方向について、日本IBM 理事 諸富健二 システムx事業部長に話を聞いた。

[聞き手:石森将文,ITmedia]

ITインフラと“Smarter Planet”

――ITインフラが社会に果たす役割と、IBMのビジョンは。

諸富 今、世界は“フラット”になりつつあるといえるでしょう。ITインフラの発達により、取り得るコミュニケーションの選択肢が増え、相対的に小さく、狭く、距離が近くなっているのです。当然人々の暮らし方、ビジネスの進め方、社会のあり方そのものが変わるのではないかという仮説が成り立ちます。IBM自身、GIE(Global Integrated Enterprise:世界規模での経営最適化モデル)というビジョンを持ち、例えばわたしの人事担当者、購買担当者なども海外の拠点に所属しています。

日本IBM 理事 諸富健二 システムx事業部長 日本IBM 理事 諸富健二 システムx事業部長

 そもそも少子高齢化社会を支えるためには、ワークライフバランスへ配慮しなければなりません。また新型インフルエンザなどが流行した場合は、出社せずに業務を遂行できる環境が必要になります。東京への人口の一極集中も対策が求められる課題です。この解決策として期待されるのが、例えばITによるテレワーク環境の確立です。このように、ITが人間のあり方にもたらす影響は、どんどん大きくなっているのです。そしてITが社会に対しどんな貢献ができるのか。これを示すのが、“Smarter Planet”になります。

 “Smarter”な世界の実現に向けて、ここでは3つの段階で考えたいと思います。まずは「機能化」です。例えば皆が悩まされる交通渋滞という問題があります。行楽シーズンにはいつも、渋滞予想が発表されます。しかしこれは、過去のデータを参照しているだけです。実際の混雑状況は当日の天候などによって左右されるのに、リアルタイムにモニタリングする手段がないため、信頼性の低い予測しか、なされません。例えば機能化されたセンサーを道路に設置することで、天候や混雑状況を動的にモニターすれば、より精度の高いリポートが可能なはずです。

 次いで、いま紹介したような機能化された機器と従来のITインフラをつなぐ「相互接続性」が求められます。そして最後に、つながることによって大量に流れ込む情報をどのように処理するか、つまり「知性」が必要になるのです。

 従来はデータとして可視化することさえ、ままならなかった情報が、オンラインでつながり、リアルタイムに流れ込んでくるとなると、その情報量は爆発的です。基幹システムの歴史において、バッチがOLTPになった以上のインパクトがあるのです。これをITインフラ面から支える義務が、われわれにはあると考えています。米国では、電力メーターを“スマート化”して動的に給電をコントロールするIBMのソリューションが高い成果を上げています。スマートになれば、地球にも、人にも優しいといえます。

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