重複データの排除効果を試す無償プログラム、シマンテックが実施

シマンテックは、重複したデータを排除することでストレージの利用効率がどれほど得られるかを診断する無償プログラムを始めた。

» 2009年06月17日 17時14分 公開
[ITmedia]

 シマンテックは6月17日、重複したデータを排除することで得られるストレージの利用効率を調査する、企業向け無償プログラムを始めた。企業の要望に応じて3種類の方法で調査する。

 同プログラムは、4月から一部の顧客企業には提供済みで、今回は新規顧客も含めて一般企業に提供する。プロダクトマーケティングマネジャーの石井明氏は、「コストとストレージの削減を求める企業ニーズが高まり、ストレージを圧迫している重複データの削減へ目を向けてほしい」と話す。

 診断する方法は、簡易版としてWindows上のコマンドや専用ツールを用いるものと、同社の重複データ排除ソフト「Veritas NetBackup PureDisk」をインストールした仮想アプライアンスでの計測、同ソフトをDell PowerEdge 2950サーバにインストールして測定するものの3種類。ソフトのインストールや物理サーバの持ち込みに制限がある場合、もしくは本格的に調査したいといった企業の要望に対応した。

プログラムの概要

 簡易版では、対象とするファイルサーバで「dir」コマンドを実行し、同社が提供する「update_pct_CK.exe」というスクリプトで更新データのサイズやファイル数、割合などを調べる。仮想アプライアンスを用いる場合ではOVFフォーマットで提供し、VMwareもしくはCitrix XenServer環境で実行する。物理サーバを用いる場合では、本番環境に近い効果を検証できるとしている。

 同社ではストレージの利用効率を高めるソリューションとして、「Veritas Command Central Storage」(ストレージの集中管理ツール)、「同 Storage Foundation」(ストレージの仮想統合)、NetBackup PureDisk、「Enterprise Vault」(ファイル/メールアーカイビング)を組み合わせた利用を推奨している。

NetBackup PureDiskを利用した診断リポートの例

 プロダクトSE部の上雄記氏は、NetBackup PureDiskを利用するメリットについて、「ソフトとして提供しており、データセンターからリモートオフィスまで多彩な運用環境に対応している。重複しないデータのみをバックアップ環境へ転送するため、ネットワーク帯域を大幅に節約できる」と説明する。

 ソリューションを利用した場合の効果について、石井氏によればストレージ容量を98%、ネットワーク帯域幅を99%、バックアップ時間を70%それぞれ削減した海外企業があるという。「最も効果が高いケースにはなるが、多くの企業でこれに近い効果を得られるのではないか」(同氏)と話している。

過去のニュース一覧はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ