NECとマイクロソフト、協業拡大の背景Weekly Memo(1/2 ページ)

NECとマイクロソフトが先週、ソリューション事業での協業拡大を発表した。その背景には、NECが現在進めている社内の一大プロジェクトが大きく関与している。

» 2009年07月06日 09時49分 公開
[松岡功ITmedia]

100人規模の協業チームを設置

 NECとマイクロソフトが先週2日、ソリューション事業での協業拡大を発表した。両社の製品を組み合わせた「システムモデル」ベースのソリューションを共同で開発するとともに、協業チームを組織し、企業などに向けて提案・販売活動を共同で展開する。

 具体的には、NECのIAサーバ「Express5800」とストレージ「iStorage」の両シリーズ、ミドルウェアおよびアプリケーションソフトと、マイクロソフトのサーバOS「Windows Server 2008」、データベースソフト「SQL Server 2008」などを組み合わせたシステムモデルを構成し、業種共通のソリューションとして、短期間で高信頼のWindows Serverベースシステムの構築・導入を可能にするという。

 ちなみにシステムモデルとは、「各種ハードやソフトをパターン化し、システム検証、テンプレート開発、ノウハウドキュメントをライブラリ化したもの」である。

 このシステムモデルの第一弾として、「ビジネスインテリジェンス/データウェアハウス」、「独SAP製ERPシステム」、「グループウェア」、「仮想化システム」、「中堅企業向け高可用性(FT)システム」を対象とした5種類のソリューションをラインアップ。7月から提供開始し、今後順次メニューを拡充していく計画だ。

 また、今回の協業拡大に伴い、両社合わせて100人規模の協業チームを設置。同組織は、製造・流通・官庁・公共・金融・通信メディアなどを対象とする各業種専門チームと各ソリューション開発チームからなり、共同でマーケティング・販売・システム構築・運用サポートを行う。ちなみに協業チームにおける両社の人員構成比は、NECが6割、マイクロソフトが4割という。

マイクロソフトとの協業を拡大したNECの矢野薫社長(左)。5月の決算会見では自社基幹システムの全面刷新についても語った(関連記事参照)

 さらにNECは、すでに社内に配置されているWindows Serverに精通した技術者に加えて、SQL Serverに関しても同レベルの技術者を増員していく構え。マイクロソフトと共同でSQL Serverのコミュニティサイト「SQLロケッツ」を開設し、成功事例の共有・技術力強化を目的に、100人規模での活動を開始した。

 一方、マイクロソフトも今回の協業を見据えて、NECグループの技術者向けに「SI技術ポータルサイト」や「マイクロソフト サーバ製品支援デスク」を開設しており、NECグループの技術者約5000人が登録・利用しているという。

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