上半期のマルウェア感染が2倍近くに増加――トレンドマイクロ調べ

トレンドマイクロは、2009年上半期と6月度のインターネット脅威動向を発表し、マルウェア感染報告数が前年同期比で2倍近くに増加した。

» 2009年07月06日 13時33分 公開
[ITmedia]

 トレンドマイクロは7月6日、2009年上半期(1〜6月)と6月度のインターネット脅威動向を発表した。2009年上半期のマルウェア感染報告数が前年同期比で2倍近くに増加している。

 上半期の国内における不正プログラムの感染被害報告数は、前年同期に比べて約92%増の2万8628件だった。USBメモリなどのリムーバブルメディアを悪用する「MAL_OTORUN」が最多だった。2位には2008年末から企業を中心に感染が広がった「WORM_DOWNAD」が入った。

 いずれの不正プログラムもリムーバブルメディア経由での感染によって流行し、WORM_DOWNADでは、偽セキュリティソフトをダウンロードする亜種や、セキュリティ関連サイトへのアクセスをブロックする亜種も確認された。

 また4〜5月には正規サイトの改ざんが多数見つかり、バックドアの「JS_AGENT」を正規サイトに埋め込む手口や、FTPアカウントを盗む「TROJ_SEEKWEL」がダウンロードされるケースが確認された。閲覧者が改ざんされたサイトから誘導される不正なWebサイトには、ラトビアや中国のサーバが悪用されていた。トップレベルドメイン別の取得検体数ランキングでも中国のドメイン「cn」が2位に入り、中国のサーバを悪用した不正プログラムの配布が盛んに行われているという。

 6月度の不正プログラム感染被害の総報告数は4781件で、5月の4496件から増加した。Microsoft Outlookの再設定を促すように偽装したスパムメールが確認され、添付ファイルを実行すると不正なURLにアクセスし、オンラインバンキングのIDやパスワードを盗み出そうとする。

 同社ではMicrosoftなど信頼のある組織をかたったメールでも、不審な点があれば添付ファイルを実行したり、URLをクリックしたりせず、情報の真偽を確認することが必要だとアドバイスしている。

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