ボットネットに復旧能力? メッセージラボが指摘

ボットネットは悪質なISPが遮断されても直ちに復旧すると、メッセージラボが6月の脅威動向をまとめた報告書で指摘した。

» 2009年07月09日 13時33分 公開
[ITmedia]

 スパム攻撃者が攻撃手段をバックアップできるようにしているという。米Symantec傘下のメッセージラボは、6月の脅威動向をまとめた報告書の中でこのように指摘した。

 米カリフォルニア州の悪質なインターネットサービスプロバイダー(ISP)とされたPricewertが6月5日に閉鎖され、スパムメールを大量送信しているとみられるボットネット「Cutwail」が一時的にダウンしたという。

 これにより、スパム流通量は一時的に減少したが、わずか数時間で流通量が再び増加した。2008年11月にも同様のIPSとされたMcColoが閉鎖されたが、この時は数週間にわたってスパム流通量の減少が続いた。

 シニアアナリストのポール・ウッド氏は、「Cutwailはわずか数時間で3分の1の規模を取り戻しており、McColo閉鎖の経験から攻撃者がボットネットをバックアップさせる必要性を学んだようだ」と、リポートの中で指摘している。

 電子メール全体に占めるスパムの割合は90.4%で、このうち83.2%がボットネットから送信されていた。5月以降に増加している画像スパムの割合も8〜10%に上った。

 また、インスタントメッセージ(IM)の405通に1通の割合でリンクが含まれており、過去6カ月で78%増加した。リンクの中には悪質サイトに誘導するものも多数含まれているとみられ、平均すると80人に1人が悪質なリンクを含んだIMを毎月1通件以上受け取っているという。

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