アクセラ、FAST対抗のECサイト向け検索エンジンの新版を発表「検索結果は0件です」を回避

アクセラテクノロジは、検索ソフトウェア新版の販売を開始すると発表した。

» 2009年09月02日 18時36分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 アクセラテクノロジは9月2日、検索ソフトウェア新版の販売を同日から開始すると発表した。電子商取引(EC)サイトが商品などの検索機能として導入することで、エンドユーザーに幅広い検索結果を提示できる。64ビットプロセッサに最適化したことで、大容量の検索を可能にした。

進藤達也社長。富士通のスーパーコンピュータ部門で高性能検索技術を開発していたメンバーが同社のベンチャー起業制度により独立した

 製品名は「Accela BizSearch R4」。特徴は「アドオン型ドリルダウンサーチ」と呼ぶ検索技術だ。サイト内検索サーバが、ECサイトのデータベースから実際の商品名や価格、発売日などの詳細な情報を自動抽出できるようにした。これにより、ユーザーが入力したキーワードに対して、さまざまな角度から検索結果として選択肢を提示できるという。

 例えば、ワインについてユーザーが検索した場合、赤や白といった「ワインの種別」、ブルゴーニュなどの「産地」、1990〜95年などのような「製造年」、1万円未満などの「価格」のように、多数の切り口で検索結果を表示する。

 従来の技術でも同様のことができていたが、データベースからCSVやXMLなどの形式で出力したものをサイト内検索サーバが参照しにいく仕組みとなっていることが多く、自動抽出は難しかった。そのため、検索結果に柔軟性を持たせにくく、検索結果が「0件」のようになってしまうケースも多かった。

 アクセラテクノロジの進藤達也社長は「Accela BizSearch V3.2までは企業内における情報共有ツールとしての利用を想定していた」と話す。ECサイト向け検索エンジンに着目したきっかけは、2008年1月にMicrosoftが買収を発表したFast Search & Transfer(FAST)の市場シェアの高さを知ったことだという。

 IT専門の調査会社アイ・ティ・アールが調べた「全文検索ソフトウェア市場」の出荷金額ベースの国内市場シェアで、FASTは2007年度が全体の24.3%、08年度は28.9%で、いずれも1位になっている。「それまで意識していなかったが、ECサイト向け検索エンジンに大きな需要があることがはっきり分かった」(進藤氏)。進藤氏は新製品による今後3年間の売上高を20億円と見込んでおり、実現すればアクセラが金額ベースのシェアで首位になると意気込んだ。

 Accela BizSearch R4の価格はオンサイト実装型が2000万円(税別)から。併せて提供するASP形式のエントリー向けサービス「Accela BizSearch ASP ドリルダウンナビ」は初期費用が21万円から、月額費用が7万円からとしている。

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