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» 2009年09月05日 11時41分 UPDATE

「担当範囲外です」は協力会社だけで十分:ソフトバンクで身につけた仕事術は生きる〜Part3 (1/3)

「そんな状態では無理ですよ」会社の未来を担う社員が、こんな心細いことを言っているわけにはいかない。どうすればいいのかを必死で考えることになります。

[大木豊成,ITmedia]

 書籍『ソフトバンク流「超」速断の仕事術』(ダイヤモンド社)の著者であるオルタナティブ・ブロガーの大木豊成氏に読みどころを紹介していただく寄稿の第3回。第1回はこちら、第2回はこちらです。


 プロジェクトマネジメントの用語にある「スコープ」。竹中平蔵氏が大臣の時代に、ステークホルダーと同じく、よく使われていた言葉です。英語で書けばScope of workであり、作業範囲のことを指します。プロジェクトマネジメントをご存じの方は、SOWと表記することもあります。プロジェクトにおいて、作業範囲を確定することはとても重要です。

 一方で、Out of Scopeというものは、その言葉どおり「作業範囲外」のことを指します。「なぜ作業範囲ではないものを、いちいち特定しなくてはならないのか」というご意見がありそうなので、説明させてください。

 まず、やるべきことが明確になってから実施するプロジェクトがあります。その分かりやすい例が建築物です。家を建てる、ビルを建てるとなると、やるべき範囲は明確ですから、作業範囲だけを決めればいいでしょう。

 しかしIT業界において、プロジェクトと言っても、業務要件すら明確ではない場合が少なくありません。特にわたしが属していたソフトバンクのように、猛スピードで会社を立ち上げ、事業計画を作り、サービスインしていくようなやり方の場合、最初の段階から「誰が、何を、いつまでに、どのように」といったことが明確でない場合が少なくないわけです。

 「そんな状態では無理ですよ」

 会社の未来を担う社員が、こんな心細いことを言っているわけにはいかない。だから、どうすればいいのかを必死で考えることになります。

 すると、その不確定要素の多い中でも、何が決まっていて、何が決まっていないかを切り出すことができます。どれが自分の担当、あるいは自分が属するチームの担当かをはっきりさせることができます。

 さらに、自分の担当ではない箇所もはっきりさせる必要があります。そうしないでおくと、後で「え? やってないの?」なんてことになりかねないからです。

 自分の担当ではない箇所を特定するためには、プロジェクト全体がどうなっているかを把握する必要があります。そのためには、関係者(ステークホルダー)を集め、全体図を認識する作業を行うことになります。全体図を把握し、それぞれの役割も明確にしておく。このプロセスを経ることで、後で問題が発生することを防止できます。

外部の人間でないことを再認識する

 「そんなことは指示した人(上の人)が整理すべき問題だ」

 そうかも知れません。しかし、わたしはこういう台詞を言うのは外部のパートナー企業だけでいいと思っています。外部の人たちは、それがはっきりしないことには、費用も算出できません。だから、そういう言い分があるのはもっともです。

 しかし、その会社の社員はそういうことを言っていてはしょうがない。やらずに済ませば、それがすべて自分または自社に跳ね返ってくるだけです。逆に、こういうことをきちんとできる人が、さらに上に昇っていく人なのだと思います。

 自分自身がどういうポジションにいようと、プロジェクトの全体を把握することは不可能ではありませんし、俯瞰して「抜け漏れ」がないようにすることはとても大事なことです。

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