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» 2009年10月10日 00時00分 UPDATE

ビジネスマンの不死身力:「ホウレンソウ」がうまく回らない理由 (1/2)

情報共有がうまくできずに苦い思いをしているリーダーは少なくない。一方でメンバーはリーダーに悩みを聞いてほしいと思っている。この差は、「ホウレンソウ」の考え方を少し変えることで埋められる。

[竹内義晴,ITmedia]

少し考え方を変えることで、仕事を楽しく充実したものに。「ビジネスマンの不死身力」では、そのノウハウをお伝えします。


 あなたのチームでは、仕事において、どのように情報を共有しているだろうか? 情報をタイムリーに共有できる体制が整えば、プロジェクトの遅延や顧客のクレームにも迅速に対応できるようになる。

 情報共有の基本といえば、「ホンレンソウ(報告・連絡・相談)」がある。もしあなたが組織をまとめる立場であれば、「部下が報告してこない」といった悩みを抱えているかもしれない。一方で、一人で悩みを抱えずに、上司に相談したいと思っているメンバーも多くいるだろう。

 上司はホウレンソウをしてほしいと思い、メンバーもホウレンソウがしたいと考えている。お互いが抱く思いは同じはずなのに、それが実らないのはなぜだろうか。今回は、ホウレンソウによる情報共有を円滑に進めるための心得を取り上げる。

ホウレンソウの一般的な誤解

 「ホウレンソウは部下が上司にするもの」

 これがホウレンソウの一般的な見解だろう。実際にホウレンソウについて書かれた記事を調べると、「新入社員のマナーである」「効率的に仕事を進めるためのアドバイスが受けられる」「自分の考えを持っておこう」「タイミングよい相談が、信頼獲得につながる」――など、部下が上司に対して注意すべきビジネスマナーとして説明しているものが目立つ。

 部下からのホウレンソウはもちろん大切だが、上司が「ホウレンソウ=部下がするもの」と思い込んでいると、問題が生じる。「問題があれば随時報告しろ」と部下に命令してしまうかもしれないし、部下から報告がなければ「ダメな部下」とレッテルを貼ってしまうかもしれない。報告を重視するあまり、週1回の報告を部下に義務づけたり、社内ブログやコミュニティーサイトを活用して情報共有を強制したりするといったことも起こりうる。

 だが、よく考えてみてほしい。部下が本当に問題や悩みを抱えているのならば、上司に悩みを聞いてほしいはずである。それが実現しないのは、組織内に「言いづらい」「怒られるかもしれない」といった空気が立ちこめているからである。

 雰囲気が悪い組織がコミュニケーションツールを導入しても、使う側には「ここに書いたら後で怒られるのではないか」「みんなの前で説教されるのではないか」という気持ちが働いてしまう。顔を合わせたコミュニケーションができないならば、どんなツールを導入しても情報共有はうまくいかないのである。

ホウレンソウをしたいのにできない

 ここで、わたしがあるシステム開発のプロジェクトに参加していた時の経験をお話しよう。

 そのプロジェクトでは週一回のミーティングがあった。ミーティングは問題を解決するために開かれるのだが、仕事の遅れを挽回したいと思い、その場で仕事の遅れを正直に話すと、「なぜ遅れているんだ!」としかられるのだった。

 人前でしかられるのは誰もが嫌なものだ。その後、問題を素直に報告しようとする人はいなくなり、ミーティングはつまらない時間となってしまった。また、そのプロジェクトでは週報の記入が義務付けられていたが、記入しても何のフォローもなかった。問題点を書いても、何も改善には結び付かない「形式だけ」の報告書だった。

 だが問題が起きると、上司はしかめっ面で、決まってこう言うのである。「なぜホウレンソウをちゃんとしてこないんだ」

 このミーティングでは、メンバーが「ホウレンソウをしたいのにできない」という状態に陥っていた。普段から何でも気軽に話せる雰囲気があれば、報告書もミーティング自体も必要なかったのかもしれない。

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