米Oracleとオムロンは電力消費を可視化し、環境保護を実現するためのソフトウェアを共同開発したと発表した。
米Oracleとオムロンは10月12日、サンフランシスコで開催中のOracle Open Worldにおいて、製造業者がサプライチェーンマネジメント(SCM)を改善して電力消費を可視化し、環境保護を実現するためのソフトウェアを共同開発したと発表した。
この製品は、オムロンのセンサー機器とOracleのSCMアプリケーション「Oracle Manufacturing Operations Center」を組み合わせるもの。オムロンのセンサー機器などが計測したリアルタイムの消費電力データと、生産現場のフロア制御システムや生産データなどを統合する。
生産過程で生じる電力には、各工程間の「待ち時間」などによる無駄なものが多く含まれるという。オムロンの自社事例では、エネルギー全体のうち価値のある使われ方をしているものは56%に過ぎないことが分かった。待ち時間をはじめとした製造工程の無駄を排除すべく、SCMの仕組みを使ってプロセスを最適化することで、消費電力の削減を目指す。
センサーは、電力線などに外側から巻きつけるだけで設置できるもの。オムロンは、Oracleと共同開発したソリューション提供はもちろん、このセンサーの販売増を含めた両面からの収益化を狙う。オムロンの環境事業推進本部長である勅使河原正樹氏によると、オムロンは2013年に環境ビジネス全体で500億円程度の売り上げを見込んでおり、そのうち100億円をソリューションで実現する考えだ。
将来的には、大規模小売店舗やデータセンターなどにもシステムを提供することを視野に入れている。この場合は、消費電力だけでなく、気温や湿度なども感知し、管理する必要がある。
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