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» 2009年12月07日 09時46分 UPDATE

Weekly Memo:News Corp.がGoogleに宣戦布告――その背景 (1/2)

米メディア大手News Corp.がGoogleに宣戦布告し、Microsoftと提携交渉――。ネット記事閲覧の有料化をめぐる騒動が先週ますます加熱した。その本質は何か。

[松岡功,ITmedia]

Googleが新施策発表を急いだ理由

 米Googleが先週1日、同社のニュース検索サービスなどを通じたメディア各社のニュース記事など有料コンテンツの閲覧回数を1ユーザー当たり1日5つの記事に制限する新施策を導入すると発表した。メディア各社がこの施策に参加すれば、無料閲覧の回数を制限できるようにしたものだ。

 Googleがこうした施策を打ち出したのは、米国の新聞業界でネット記事閲覧を有料化する動きが強まりつつあるからだ。従来の仕組みではGoogleの検索サービスを経由すれば、メディア各社が有料配信する記事の大半は無料で閲覧できた。今回の施策はそうした仕組みに一定の制限を加えた格好だ。

 ただ、Googleが新施策の発表を急いだ背景には、米メディア大手News Corp.が11月上旬、傘下のメディア企業の記事をGoogleで自由に検索・閲覧できなくする措置をとる方針を表明したことが大きく影響しているとみられる。

 News Corp.会長兼CEOのルパード・マードック氏はグループのテレビ番組で、ネット検索サービスを「われわれの記事を盗んでいる」と指摘。とりわけ、Googleの検索サービスは同市場でおよそ7割のシェアを占めるだけに、傘下の米紙Wall Street Journal(WSJ)に続いてグループ全体で進める新聞サイトの有料化の大きな障害になるとみているようだ。

 とはいえ、この時点では業界の間でも「News Corp.だけが離脱しても大勢に変わりないのではないか」とみられていたが、マードック氏はGoogleへの宣戦布告の一方で、次の一手を打っていた。それが11月下旬に表面化した米Microsoftとの提携構想である。

 欧米メディアの報道によると、News Corp.傘下のメディア企業がMicrosoftの検索サービスに記事を優先的に提供し、MicrosoftがNews Corp.に対価を払う方向で交渉が進んでいるもようだ。

 News Corp.にとっては有料化戦略を確実に推し進められる一方、MicrosoftにとってもNews Corp.の有力コンテンツを優先的に確保することで、Googleとの違いを打ち出すことができる。Microsoftはほかのメディア企業にもNews Corp.と同様の提携を打診しているとみられ、この動きが広がれば検索サービスでのGoogleとの差を縮める大きな足がかりになる可能性がある。

 もっとも、業界の間では「News Corp.にとってMicrosoftとの提携交渉は、圧倒的に記事扱い量の多いGoogleから対価を得るための駆け引きではないか」との見方もあり、今回のGoogleの新施策も相まって、事態はまだまだ流動的といえそうだ。

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