知能テストに見せかけHDDのデータを破壊、危険なワームが拡大

HDDの重要な部分を破壊してしまう新手のワーム「Zimuse」が世界各地で感染を広げているという。

» 2010年01月27日 08時09分 公開
[ITmedia]

 HDDのデータを破壊してしまう危険なワームが出現し、USBメモリなどを通じて世界各地で感染を広げているという。セキュリティ企業のBitDefenderやエストニアのESETが伝えた。

 それによると、このワームは1月25日までに「Zimuse.A」と「Zimuse.B」の2種類が見つかっており、いずれもWindowsをターゲットにしている。USBメモリなどのほか、正規のWebサイトに組み込まれていることもあり、一見無害な知能テストプログラムに見せかけてあるという。

 これを実行すると、Windowsシステムの重要部分にワームのコピーが複数作成されるが、厄介なのは、感染してすぐには動作を開始しないため、ユーザーがその時点で感染に気付くのがほとんど不可能な点。しかし感染から20〜40日がたった時点で不審なエラーメッセージが表示され、その次に再起動すると、PC起動時にまず読み込まれるHDDの先頭部分、マスターブートレコード(MBR)の最初の50Kバイトを上書きして破壊してしまう。

 このワームはスロバキアで出現し、感染は当初、同国内のみにとどまっていたが、1月22日までには米国での感染者がスロバキアを上回り、タイやスペイン、イタリアなどの欧州諸国にも拡大。企業のネットワークも攻撃されているという。

 こうしたワームの被害を防ぐためにも、重要なデータはバックアップを取ること、出所不明のファイルに対する警戒を怠らないことが大切だとBitDefenderやESETは呼び掛けている。

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