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» 2010年03月02日 22時24分 UPDATE

CeBIT 2010 Report:「ビジネスプロセス」はERPより大きな市場になる――独Software AGの新戦略

独ハノーバーで開催されているCeBIT 2010で、ソフトウェア大手の独Software AGのカールハインツ・シュトレイビッチCEOが今後5年間に向けた新戦略を発表した。

[怒賀新也,ITmedia]

 独ハノーバーで開催されているCeBIT 2010で、ソフトウェア大手の独Software AGのカールハインツ・シュトレイビッチCEOが今後5年間に向けた新戦略を発表した。2007年に5億6000万ユーロで獲得したビジネス統合基盤ソフトウェア提供のWebMethodsに加え、2009年8月に4億8000万ユーロで買収したビジネスプロセス分析ソフトウェアメーカーのIDS Scheerとの統合を完了させ、今後は企業のビジネスプロセス最適化ソリューションが、ERPよりも大きな市場になることを強調している。

sag1.jpg 「Business Process Excellence」を強調したシュトレイビッチCEO

 「Business Process Excellence市場はERPよりも大きくなる」

 シュトレイビッチCEOは、2009年の業績について、売上高が対前年比17%増、利益が同22%増、キャッシュフローの増加が同41%増と、リーマンショック後も好調であることをアピールしながらこう話した。買収したIDS Scheerは、ERP最大手のSAPと古くから協力関係にあり、買収後もSAPとの良好な関係を継続すると強調する。一方で、次の10年に向けたエンタープライズIT市場でパラダイムシフトが起きつつあると指摘。ユーザーの動きでは、飲料メーカーのCoca Cola EnterprisesやDiscovery Channelは、地球温暖化を防止するためなどの仕組みとして、同社のソフトウェアを活用、そのほかにも医療や金融、政府などで幅広く利用されているとしている。

 Coca-ColaのCIO(最高情報責任者)が「すばやく、柔軟なビジネスプロセスを構築できたことがビジネス改革の鍵になった」とユーザーの声も紹介した。

 ERPパッケージの導入が世界的に一巡したため、今後について、ERPで蓄積したデータをいかにビジネスの拡大に生かすかが問われ始めている。BI(ビジネスインテリジェンス)の活用を含めたビジネスプロセスの最適化が新たなパラダイムになるとの指摘も不思議なものではない。

 このように、ビジネスプロセス市場の拡大を指摘するSoftware AGは、CeBITの初日となった3月2日、「企業向けFacebook」と説明するBPMの新製品「ARISalign」を、誰もが利用できるオープンβ版の形式で提供することを明らかにした。利用することにより、Facebookなどのソーシャルネットワークの仕組みと同じように、社内だけでなく、グループ企業や提携関係のある他社など企業内外の組織にまたがって1つのプロジェクト環境を共有できるようになる。ビジネスプロセスの効率性向上だけでなく、出張や会議にかかる費用の節減など、コスト削減の手段としても有力だとしている。

sag2arisalign.jpg 「企業向けFacebook」のイメージが伝わるARISalignのUI

 同社はARISalignを、Amazon Web Servicesを活用したクラウドコンピューティングの形式で提供する。無料のプロセスモデリングツールである「ARIS Express」を使って柔軟にプロセスの設計ができる。iPhone上で利用できることも、特徴としている。

 調査会社のGartnerは、コンシューマーITが今後エンタープライズ領域でも活用されるようになるとする「Consumerization IT」という新たな傾向について指摘しているが、ARISalignもその一例といえそうだ。

新たな成長シナリオ

 Software AGはもともと、メインフレーム向けのデータベースである「Adabas」を主力製品に据えていた。WebMethodsの買収により、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やESB(エンタープライズサービスバス)、EAI(エンタープライズアプリケーション統合)など、下層レイヤーと業務系アプリケーションの間をつなくミドルウェア層のソフトウェア提供に注力し始める。

 同社は、WebMethods買収によりミドルウェア層を強化した2008年までを第1フェーズと位置づける。さらに、2009年から2011年までを、ビジネスプロセスの最適化によって、企業の意志決定を支援する次のフェーズとして臨む考えだ。

sag3bi.jpg BIやプロセス最適化を図る

 Gartnerの分析によると、IDS Sheer買収前のSoftware AGの製品ポートフォリオでは、ビジネスプロセス管理やSOAガバナンス、バックエンドとのアプリケーション統合、ESBなどの主要な機能をカバーしているものの、「ビジネスプロセス分析」「エンタープライズアーキテクチャ向けツール」などの機能が欠けていると指摘されていた。Software AGは、IDS Sheerの獲得により、こうした機能もカバーできたとしている。

 この日紹介されたロードマップでは、ビジネスプロセス管理ソフトウェアにおいて、ビジネスプロセス統合基盤である「WebMethods」と、ビジネスプロセスの分析基盤であるIDS Sheerの「ARIS」を2011年までに完全統合することを明らかにした。

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