HPが「memristor」で新発見 CPUとメモリを一体化可能に

第4の回路素子「memristor」を使って、1つのチップで論理演算もデータの記憶もできるようになるとHPが発表した。

» 2010年04月09日 14時14分 公開
[ITmedia]

 米Hewlett-Packard(HP)の研究部門HP Labsは4月8日、第4の回路素子「memristor」を使って、データ記憶機能を持つプロセッサを開発できることが分かったと発表した。

 memristorは情報を記憶できる抵抗素子で、コンデンサー、抵抗器、インダクターに次ぐ電気回路の第4の素子とされる。電気の供給がなくても記憶した情報を失わず、現行のメモリ技術と比べ記録密度が高く、高速で、消費電力が少ないという。こうした特性から、memristorはメモリチップに利用できるとされてきたが、このほど、論理演算も可能であり、プロセッサにも応用できることが分かったとHPは述べている。

 HPは、memristorによって、1つのチップで演算もデータの記憶もできるようになるとし、いつかmemristorを使ったプロセッサが現行のシリコンベースのプロセッサに取って代わるかもしれないと述べている。

 同社は既にmemristorを利用したメモリチップアーキテクチャを開発しており、数年以内にこの技術を使ったデバイスを投入できると考えている。

 今回の発見は「Nature」誌に掲載された。

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