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» 2008年05月01日 09時37分 UPDATE

HP Labs、第4の回路素子「memristor」の実例を発表

これまで理論上のものとされていた、一度記憶した情報が失われない回路素子の存在をHPが実証した。

[ITmedia]

 米Hewlett-Packardは4月30日、HP Labsの研究者が、これまで理論上存在するとされてきた、抵抗器、コンデンサ、インダクタに次ぐ第4の回路素子「memristor」の存在を実証したと発表した。スタンリー・ウィリアムズ氏を代表とするHP Labsの研究者らは、同日発行のNature誌でmemristorの数理モデルと物理的なサンプルを紹介している。

 memristorという名称は、一度記憶した情報を失わないことから「記憶抵抗(memory resistor)」にちなんで付けられた。37年前、米カリフォルニア大学バークリー校のレオン・チュア氏が、その存在を理論的に説明、命名し、論文を発表しているが、あくまで理論上のものとされてきた。

 従来のDRAMを搭載したコンピュータは、電源を切ると保持していた情報を失ってしまう。再度電源を入れると、システムを動作させるのに必要なデータを磁気ディスクから読み込むための「ブートアップ」プロセスが立ち上がる。

 一方memristorを搭載したシステムの場合、電源をオフにしても情報がそのまま保持されるため、ブートアップが不要となり、そのために必要な時間も電力も節約できるという。

 HPは、memristorはメモリやストレージ、膨大な数のサーバやストレージシステムから構築されるクラウドコンピューティングにおいて、節電や情報保護に役立つだけでなく、人間の脳がパターン認識するのと同様の方法で一連の出来事を記憶、認識可能なコンピュータシステム(活用例:バイオメトリック認証など)の開発にも有効だとしている。

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