ウイングアークが帳票サービス新版 クラウド対応も急ぐ

ウイングアーク テクノロジーズは、PDFや多言語への対応を強化した帳票サービスの最新版を今夏に提供する。既存ユーザーの乗り換え需要を狙い、クラウド化も進めていく。

» 2010年04月26日 21時30分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 ウイングアーク テクノロジーズは4月26日に記者会見を開き、帳票サービスの最新版「Super Visual Formade(SVF) バージョン9」の提供を7〜8月に開始すると発表した。同サービスのクラウド化も進めている。

 SVF バージョン9では、Webによる帳票運用を簡単にする機能を追加している。例えばPDFの出力において、部数や印刷ページ、用紙選択、両面印刷をあらかじめ設定できるようにした。印刷時の文字化けを防ぐために、印刷用途のPDF規格「PDF/X」にも対応させた。対応言語として「タイ語」を加えたほか、OpenOffice.orgで作成したデータを帳票に取り込む機能も強化している。

 SVFのクラウド対応も進めていく。サービス基盤に米Amazon Web Servicesの「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」を採用し、EC2の仮想サーバ上で動作させたSVFから、基幹系システムの帳票を印刷するサービスなどを開発している。クラウド化の進ちょくは「30〜40%」(営業統括本部 SVF戦略室 谷口功室長)であり、「帳票をクラウド上で運用できる可能性が出てきた」という。

ウイングアーク テクノロジーズの内野弘幸社長 ウイングアーク テクノロジーズの内野弘幸社長

 ウイングアーク テクノロジーズでは約3年前からSaaS(サービスとしてのソフトウェア)事業にも取り組んでいる。内野弘幸社長は「売り上げ全体で見ると1%に満たない」と話す一方、「SVFのサーバの切り替え期間は7〜8年。この時期に企業のクラウド(サービス)への乗り換えが進む」と見ている。1万6000社(2月現在)に上るSVFの採用企業に「選択肢を提供する」目的で、クラウド化を急ぐ。クラウドサービスの提供は2010年度内を予定している。



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