帳票システム基盤刷新で年間1200万円のコスト削減帳票ソリューション

研削砥石分野で約30%のシェアを持つノリタケボンデッドアブレーシブは、生産管理システムの刷新を機に帳票システムの基盤としてウイングアーク テクノロジーズの帳票基盤ソリューションを採用した。

» 2009年08月17日 17時18分 公開
[ITmedia]

リアルタイムに担当者が帳票印刷

 ノリタケボンデッドアブレーシブ(以下、NBA)は、ノリタケカンパニーリミテドのグループ会社。研削砥石の製造と研削・研磨に関連する製品の販売を行っている。

 NBAは、研削砥石関連製品の開発・製造のために1980年代からメインフレームをベースとした基幹システムを構築・運用し、ノリタケグループの製品の素材、素材の粒度、素材の調合や焼き固める技術、温度など経験やノウハウに基づく情報を確保していた。しかし、長期間の使用でシステムは老朽化し、手作業から発生する誤配送を含めた管理運用の改善、担当者の工数削減といった要求にも早急に対処する必要があったという。そこで、2006年に、よりコストパフォーマンスの高いオープンシステムへの移行に着手した。

 新しい生産管理システムは、2008年11月から順次リリースされ、販売会社を含め2009年6月から全面稼働している。具体的には、製造伝票に印字してある製造番号のバーコードをハンディターミナルが読み取り、出荷案内書や梱包ラベルなど約30種類の帳票をリアルタイムに印刷する。この仕組みにはウイングアーク テクノロジーズの帳票基盤ソリューション「Super Visual Formade」(以下、SVF)および帳票運用管理ツール「Report Director Enterprise」(以下、RDE)が採用された。SVF・RDEが採用されたポイントは、大量帳票のスプール(プリンタの印刷の進行状況に応じて、間を空けて少しずつ処理を行う機能)印刷が可能であることや、帳票の再印刷機能、出荷案内書と梱包ラベルのリアルタイム印刷機能などが評価された。再印刷機能は、大量印刷の途中で紙詰まりやエラーが起こった時、指定したページから再度印刷する機能のこと。旧システムでもこの機能は活用されており、オープンシステムにおいてもNBAのユーザーからは必須の機能とされていた。

 6つの工場から23カ所の無線アクセスポイント、制御用PCを経由して送られてくるハンディターミナル32台のデータは1日あたり3000件程度で、生産管理システムで処理されたデータは、SVFサーバで帳票に加工され、現場の27台のプリンタに出力されている。

 NBAによると、全面稼働後、帳票の誤配送はゼロになったという。また、工場ごとに日当り3000枚程度出力される帳票を印刷し、裁断・仕分けする作業がこれまでは発生していたが、担当者が必要な帳票を適宜印刷するようになったため、作業負担が軽減され、試算では約1200万円のコスト削減が実現できるという。さらに、これまで、配送先の変更が発生した際は、変更内容を配送センターにFAXで送り、配送担当者は出荷案内書を探して配送先を変更するという作業が必要だったが、新システム稼働後は、営業担当者が自分のPCからリアルタイムに変更作業を行うことができるようになり、業務効率は大幅に改善された。

 NBAでは、帳票システムも含めた情報基盤の刷新をきっかけに、原価管理、納期管理など、販売、製造の機能をさらに強化していく方針だという。

新帳票システムの概要(資料提供:ウイングアーク テクノロジーズ)

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