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» 2010年06月02日 08時00分 UPDATE

アナリストの視点:「次世代ホームネットワーク」普及の条件 (1/3)

宅内でインターネット接続される機器が増加しており、各機器向けに新たなコンテンツ・サービスを提供する「次世代ホームネットワーク」の進展が期待される。本稿では対応機器の状況やサービスの市場動向をまとめ、次世代ホームネットワークが普及する条件を分析する。

[志賀知文(富士キメラ総研),ITmedia]

アナリストの視点」では、アナリストの分析を基に、IT市場の動向やトレンドを数字で読み解きます。


 2011年7月の地上デジタル放送完全移行に向けたデジタルテレビの買い替え需要は、エコポイント制度の導入で加速している。この勢いに乗り、録画機器であるBlu-ray Disc(BD)レコーダーの販売も好調である。メーカー各社は、HDMI端子やメモリカードで自社製品同士の利便性を向上させる「○○リンク」機能などで製品への囲い込みを図るとともに、ネットワーク機能を付加価値として提案し、製品の低価格化を食い止めようとしている。

 従来は機器同士の宅内ネットワーク機能が中心だったが、デジタルテレビや家庭用ゲーム機といったPCや携帯電話以外の「ノンPC機器」にインターネット接続機能が搭載され、「アクトビラ」などのデジタルテレビ向けコンテンツ配信サービスや、ゲーム機向けインターネットサービスなど、宅外からのサービス提供も開始されている。

 またネットワークに接続される機器は、白物家電から照明・ドアホン・給湯システムといった住設機器にまで広がっている。モバイル端末との連携によって、外部から宅内機器を遠隔監視・操作するホームオートメーション/ホームセキュリティサービスや見守りサービスなども始まっている。

 今後、宅内でインターネット接続される機器が増加し、各機器向けに新たなコンテンツ・サービスを提供する「次世代ホームネットワーク」が進展する見通しである。本稿では、次世代ホームネットワークを構成する対応機器の状況やコンテンツ・サービスの市場動向をまとめ、これらが普及するための条件を分析する。

ホームネットワーク市場の概況

 調査対象としたデジタル家電12品目の普及台数は、2009年度で3億5015万台となった。その内インターネットに接続されている機器の台数(インターネット接続台数)は、1億5687万台である。しかし、この90%以上がPCおよび携帯電話/PHS端末であり、これらを除いたノンPC機器の普及台数は2億449万台、インターネット接続台数は2067万台となっている。

 今後は、地デジ化に伴ってデジタルテレビおよびDVD/BDレコーダーが普及し、家庭用ゲーム機の普及台数が増えてくる。また、これらの機器におけるネットワーク機能の強化や無線LAN対応のデジタル家電製品の増加を背景に、ノンPC機器は普及台数/インターネット接続台数ともに増える。2014年度にはノンPC機器の普及台数は3億40万台、インターネット接続台数は5438万台にまで増える見通しだ(図1)。

ノンPC機器の普及台数およびインターネット接続台数 図1:ノンPC機器の普及台数およびインターネット接続台数 出典:富士キメラ総研 「2010 次世代ホームネットワーク関連市場の将来展望」

 インターネット接続機器に提供されるホームネットワーク関連サービス(12サービス)の市場規模は、2009年度で7443億円である。現状では映像/音楽配信、オンラインゲームといった「エンターテインメントサービス」が市場をけん引している。

 今後は、生活を便利にするホームオートメーションやネット宅配サービス、安心・安全を提供するホームセキュリティや見守りなどの「生活支援・セキュリティサービス」、家庭の消費エネルギーを可視化して省エネを支援する「家庭向け省エネサービス」、PCやデジタル家電の訪問/リモートサポートによるホームネットワーク構築やトラブル時の障害切り分け、保守を行う「ホームサポートサービス」の利用者数が増加する。これに伴い、2014年度の市場規模は1兆1250億円に拡大すると予測される(図2)。

次世代ホームネットワーク関連市場規模推移 図2:次世代ホームネットワーク関連市場規模推移 出典:富士キメラ総研 「2010 次世代ホームネットワーク関連市場の将来展望」
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