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» 2010年06月11日 08時00分 UPDATE

伴大作の木漏れ日:ItaniumとXeon 7500の悩ましい関係 (1/3)

Intel Xeonプロセッサ7500番台(Nehalem EX)を搭載したサーバを大手コンピュータベンダーが発表した。Nehalem EXの高い処理性能を考慮すると、Intelのもう1つの高性能CPUプロダクトであるItaniumの将来に影響が及ぶ可能性は高い。だが一方で、各ベンダーはItaniumからXeonにすっきりと乗り換えることができない事情を抱えている。

[伴大作,ITmedia]

 大手ベンダーによるIntel Xeonプロセッサ7500番台(Nehalem EX)を搭載したサーバの発表会がおおかた終了した。期待していた日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は発表を延期している。日本アイ・ビー・エム(日本IBM)と日立製作所、そしてNECはリリース済みだが、今のところ、Nehalem EXの搭載自体を大々的に発表したのは、富士通とデルの2社だと思う。

Nehalem EXの登場でなくなったItaniumの将来

 米IntelがXeonプロセッサの出荷を1999年3月に開始して以来、およそ11年が経つ。一方、Itaniumは翌2000年に出荷が始まっており、歴史の長さでは引けをとらない。Xeonの用途は当初はハイエンドワークステーションであり、Itaniumは当初から64ビット高性能サーバ用として開発、出荷された。しかし、両社のその後の展開は明らかに異なっている。

 Xeonは世界中のサーバベンダーが採用しているが、Itaniumの採用は事実上、日本HPとNEC、富士通の3社のみである。原因としては、ハイエンドサーバ市場で主要ITベンダー各社が独自のRISCプロセッサ、独自UNIX搭載マシンを持っており、Itaniumの採用に踏み切れなかったことが挙がる。

 また、Xeonには米AMDのOpteronという最大のライバルが存在し、性能、機能の向上において常に競い合ってきた。その結果、Xeonは世界の高性能サーバ市場のほぼ80%のシェアを占め、台数にすると数十万以上が出荷されることになった。これに対し、Itaniumは多く見ても年間数千個にしかならない。価格では、Xeonの方が圧倒的に安価だ。

 アーキテクチャに目を転じると、Itaniumは正統な64ビットアーキテクチャだが、XeonはEM64T(Extended Memory 64 Technology)という拡張版64ビットアーキテクチャに属する。EM64Tは、(IntelのさまざまなCPUで培われてきた)IA-32上で動くアプリケーションの動作に支障をきたさない事を優先して設計されたCPUで、コンシューマー向けPentiumのアーキテクチャを踏襲した変型64ビットOS対応モデルだ。

 つまり、XeonはPCで培われたIntelの技術の延長線上にあるチップであり、一方のItaniumは、極論すると米Hewlett-Packard(HP)から生産委託を受けた製品といえる。

 今回の一連の発表で、富士通は同社のオープン系フラッグシップマシンである「PRIMEQUEST」に搭載するCPUを、ItaniumからNehalem EXに変更した。これは、ItaniumはHPの生産委託品であるという性格を如実に物語っている。

 Itaniumを取り巻く環境が変化する中、Itaniumの将来について誰もが疑問を抱くのは当然だ。だが、最大のItaniumユーザーであるHPは4月27日、Nehalem EXではなくItanium 9300番台(開発コード名:Tukwila)を搭載した新製品「HP Integrity Superdome 2」を発表した。この動きはまるで、Itaniumに対する懸念を払しょくするかのようである。

 HPの必死の努力は認めるが、僕も含め、Itaniumの将来性に対して悲観的な見方をしている人は多い。ItaniumとXeonの両方を生産するIntelが公平なマーケティングを展開しているのは認めるが、市場性という観点でItaniumがXeonに劣っている限り、この見方は変わらないだろう。

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