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» 2010年07月22日 18時52分 UPDATE

ネットビジネスの商機はリッチコンテンツとモバイルにあり、アカマイが指南

アカマイは、ネットワークサービスの利用状況から企業のオンラインビジネスの拡大につながるポイントを解説した。

[國谷武史,ITmedia]

 コンテンツ配信サービス企業のアカマイは7月22日、都内でオンラインビジネスをテーマにしたイベントを開催した。イベントに先立って行われた記者説明会では、米Akamai Technologiesの幹部が同社のネットワークサービスの利用状況を踏まえ、インターネットビジネスを成功につなげるポイントを紹介した。

ユーザーは高品質コンテンツ志向

 同社は世界71カ国660都市に約7万3000台にコンテンツ配信サーバを保有し、独自の分散型ネットワークサービスを提供している。メディア企業やエンタテインメント企業をはじめとするさまざまな企業が、動画やプロモーションサイトなどのコンテンツを消費者に配信したり、グローバル企業が業務アプリケーションやデータを各国の拠点に配信したりするのに同社のサービスが利用されている。

 ネットワーク担当副社長のノーム・フリーマン氏によると、過去5年間に同社ネットワークのトラフィックは毎年50%ペースで増えており、今年6月末時点では1日当たりの平均トラフィック量が毎秒3.6テラビット(Tbps)になった。特にアジア太平洋地域では毎年95%ペースで増加。日本は同35%ペースで拡大しており、現在のトラフィック規模は約120Gbpsという。フリーマン氏は、「他国に比べてブローバンド普及率が高いことを考慮しても、2008年10月以降は120%というペースにあり、勢いは衰えていない」とコメントした。

 フリーマン氏はまた、コンテンツの配信動向について、先ごろ開催されたサッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会でのデータを紹介した。W杯では放送局など24社の企業がAkamaiのネットワークで試合映像などを配信したという。うち8社ではピーク時のトラフィック量が100Gbpsを超え、最も高い企業では600Gbpsに達した。W杯期間中のAkamaiのネットワーク全体のトラフィック量は最高で4.6Tbpsになったという。W杯関連のコンテンツのトラフィック量は最高1.6Tbpsで、1Tbpsを超えた日が7日間あった。W杯以前の最高値はバラク・オバマ米大統領の就任演説であったという。

akamai01.jpg W杯のコンテンツ配信における米国と欧州の状況

 こうした動向の背景には、ブロードバンド接続に対応した機器の普及やストリーミング配信の利用拡大などがあるという。フリーマン氏は、「ビットレートの高いコンテンツを利用するユーザーほど、視聴時間が長い傾向にあること分かった。オンラインユーザーはリッチコンテンツに期待しているようだ」と話した。

スマートフォンユーザーを取り込む

 流通向けマーケティング担当副社長のラヴィ・マイラ氏は、モバイルインターネットのユーザー動向と、同社の顧客企業の事例を紹介した。まず、2013年末にモバイルインターネットのユーザー数がPCインターネットのユーザー数を超えると予想するMorgan Stanleyの報告を引用して、「モバイルインターネットのユーザーの中には携帯電話しか持たないユーザーも多いだろう」と述べた。

 モバイルインターネットの中でも、特にスマートフォンの動きが注目されるという。同氏によれば、主要なインターネット関連サービスはサービス開始から5年が経過しても加入者が5000万人に届かず、モバイルインターネットで代表的なiモードでも4000万人強となっている。しかし、iPhoneやiPod touchは3年を経たずに8500万人のユーザーを獲得した。

akamai02.jpg iPhone、iモード、AOL、モバイルインターネットの各サービスの開始時期からみた利用者数の推移

 韓国KTでの場合、同社のネットワークを通じてAkamaiのサービスに接続するモバイル機器のIPアドレスの数は、2009年夏ごろまで月間3万5000アドレスで推移していた。KTがiPhoneを発売した11月以降には35万アドレスになったという。この傾向から、今後もiPhoneに代表されるスマートフォンでのインターネット利用が激増していくだろうと同氏は予測している。

 スマートフォンユーザーは、オンラインで商材を購入するだけでなく、価格や商材の特徴といった情報の収集にも熱心だという。彼が購入する商材は、着信メロディや動画などのデジタルコンテンツや家電製品が最も多く、コンピュータや書籍、衣料の購入も少なくないという。

 企業側では、モバイルインターネットのユーザーを取り込むために、電子メールや専用アプリ、専用のWebサイトなどの手段をユーザーに提供している。「専用サイトと専用アプリではどちらが良い手段か、また、どこかのデバイスに特化すべきか悩む企業が多い。個人的にはいずれも必要だと考えている」(同氏)

 例えば家電量販大手Best Buyでは、2月28日から3月30日に同社サイトを利用したモバイルユーザーのうち、70%がiPhoneのユーザーだった。マイラ氏は「iPhoneだけにしていたら、残り3割の顧客との接点はなかっただろう」と話す。また、米流通大手Searsではある月のiPhoneアプリのダウンロード件数が1万件未満であり、同月のモバイルサイトの訪問者数は150万人だった。

akamai03.jpg BestBuyでのモバイルユーザーの動向。店舗検索が多く、オンライン購入もあった

 Akamaiのサービスを分析した結果からフリーマン氏とマイラ氏は、企業のオンラインビジネスでは、顧客にリッチコンテンツを支障なく提供すること、スマートフォンを中心としたモバイルユーザーを集客する手段を確立することが重要だとアドバイスした。

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