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» 2010年09月21日 08時00分 UPDATE

導入事例:キヤノンS&Sで基幹系とフロント系の橋渡しをするFileMaker (1/2)

キヤノンS&Sは、約6000人もの規模でFileMakerを利用しているという同製品の“国内最大級”とも言えるユーザーだ。その活用範囲は、フロントから、一部基幹系をフォローする部分にまで及ぶという。

[岡田靖&編集部,ITmedia]
キヤノンS&S 経営企画本部 情報リテラシー推進部 内田哲三部長 キヤノンS&S 経営企画本部 情報リテラシー推進部 内田哲三部長

 キヤノンシステムアンドサポート(以下、キヤノンS&S)は、言うまでもなくキヤノングループの一社で、顧客企業のオフィス環境の問題点を解決する各種ITソリューションやサービスを提案し、保守や運用までを含めトータルに支援することを主たる業務としている。

 もともとキヤノングループは、「ゼロワンショップ」でMacintoshの販売を手掛けていた経緯もあり、古くからAppleと関係がある。その影響もあって、キヤノンS&Sもバージョン1の時代からFileMaker(当時、FileMakerはAppleが扱っていた)を利用してきた。国内のFileMakerユーザーとしては、非常に長い歴史を持っている。

 「バージョン1を使っていた当時、社内端末はMacばかりでした。今でこそPC環境はWindows系が主流となっていますが、FileMakerを使う文化は、社内に根強く残っています。いまだに、約6000人の社員のほぼ100%が使う、標準ソフトであり続けていますから」と、キヤノンS&S 経営企画本部 情報リテラシー推進部の内田哲三部長は話す。

 キヤノンS&SでのFileMaker利用は、個人や少人数グループでの情報活用はもちろん、全社的に利用される大規模なシステムまでさまざまな規模、用途に及んでいる。情報リテラシー推進部はかつての情報システム部門に相当する部署で、FileMakerに関しては全社規模のシステムを開発・管理・運用している。

 ちなみに、グループ全体のITガバナンス方針に従い、キヤノンS&Sをはじめとするグループ各社では、キヤノンマーケティングジャパンのIT本部が管理する基幹系やフロント系などのシステムを使うことになっている。そのため、キヤノンS&Sの情報リテラシー推進部は、グループ共通システムについては社内ITユーザーとIT本部との橋渡しを担当するかたわら、自社独自のニーズについては主にFileMakerを用いたシステムで対応しているという。

グループ共通システムと自社個別ニーズの隙間を埋めるFileMaker

 現在、情報リテラシー推進部が管理するFileMakerのシステム数は“20”ほど。例えば、職務間の連絡用のシステムでは、保守などを担当するサービスマンと、新たな提案を行う営業担当との間の情報伝達に利用しているという。

 「システム保守の際、その顧客との対話から別の商品にも興味を持ちそうだと判断したら、FM上のDBに情報を入力します。すると、その情報がメールで営業担当者に伝わるようになっています。こうすれば情報伝達の記録が残るし、もともとDBに登録されている顧客情報も有効活用されるというわけです」(内田氏)

 全国に約200拠点を展開しているキヤノンS&S。しかも社員の多くは営業やサービス担当であり、日中には社員の8割以上が客先を訪問しており、事務所にいるのは朝夕だけということが多い。FileMakerが社員間の連絡を効率化していると言えるだろう。

 また、帳票印刷システムとしての使い方もある。例えば営業支援システムとしてグループ共通で使っているSalesforceと連携して、その印刷機能を補うために自社ニーズの特殊な帳票をFileMakerで出力している。

 「営業を中心にフル活用しているSalesforceは、利用者の要求が高くなっています。レスポンスやリレーションの関係でSalesforceのレポート機能を超えた特殊な帳票などはFileMakerで短期間・低コストで開発し利用しています。この種類の帳票は現在2種類あり、さらにバックログとしてもう1種類の開発を控えています。こういったバックオフィス系の業務を効率化、低コスト化することは非常に重要です」(内田氏)

 ほかにも、社内キャンペーンを判定するデータの管理や、常に変化する商品構成、納入した商品の設置先一覧などについてもFileMakerで管理しているとのこと。基幹系やフロント系システムと、FileMakerとの関係について、内田氏は次のように説明している。

 「基幹系やフロント系に対し、当社だけの都合で手を加えることは困難です。IT本部にしても、グループ各社の個別ニーズを全て網羅するのは難しいでしょう。特に当社はユーザーと直に対面している企業であるため、ユーザーの要望や経済情勢の変化に合わせて、政策などの変化にスピードが要求されます。半期や四半期、ときには月単位で政策が変わることもあります。基幹系でも、フロント系でも、頻度の高い変更には容易に対応できません。そのギャップの“のりしろ”として、FileMakerが役立っているのです」

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