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» 2010年11月02日 14時00分 UPDATE

「モバイルDBのマーケットを創出する」――ファイルメーカー エプリング社長

10月29日に開催されたFileMakerカンファレンスの会場では、iOSデバイスとFileMaker Goを組み合わせたソリューションが多く取り上げられていた。ファイルメーカーのエプリング社長もモバイルDB市場に手応えを感じているようだ。

[岡田靖&編集部,ITmedia]

FileMaker GoでモバイルDB市場のリーダーに

ep.jpg 米FileMaker Inc. シニアバイスプレジデント 最高財務責任者 兼 ファイルメーカー 社長 ビル・エプリング氏

ITmedia iOSデバイス向けの「FileMaker Go」がリリースされ、今回のカンファレンスでもソリューションが多く紹介されていた。モバイル市場の手応えは?

エプリング 今のところFileMaker Goは、既存のFileMakerユーザーが多く使っているようだ。FileMakerで作ってあるデータベースをモバイル環境でも使いたいというニーズだろう。しかし、これは“第一波”。いずれ次の波が来ると考えている。iOSデバイスを活用して生産性を高めたいと考えているビジネスユーザーが活用してくれるだろう。それが、新しく市場の創出にもつながる。

ITmedia FileMakerはクロスプラットフォームであることが売りでもある。FileMaker Goについても、AndroidやWindows Phoneなどへの対応計画はあるのか。

エプリング 今この場では、製品の今後については話せない。だが、われわれはスマートフォン市場を注視しており、多くのユーザーに支持されているプラットフォームには対応していこうと考えている。ただし、例えばAndroidの市場特性はiOSのそれとは異なっているし、テストツールなども完全には統合されていない。このことに、注意する必要がある。

ITmedia モバイル環境への対応としては、アプリケーションのクラウド化やSaaS化といったアプローチも考えられるが。

エプリング FileMakerはWeb公開機能を備えている。真にユーザーが求めていることを考えると、データの場所がクラウド上であろうとなかろうと関係なく、モバイルでデータにアクセスできることが重要であり、そのことは既に実現している。

オ・デル 再びクライアント/サーバ型のコンピューティングモデルへと回帰しつつある、というのが今のトレンドだと考えている。その証拠に、FacebookやTwitterなどのように、Webベースでありながらローカルクライアントを持つアプリケーションも増えてきた。

oc.jpg 米FileMaker Inc. システムエンジニア マシュー・オ・デル氏

ITmedia カンファレンスのソリューショントラックでは、Citrixを使ってデータベースへアクセスする例も紹介されていた。クライアントの通信帯域を確保するのが難しい場所などでは、FileMakerのようにデータを転送するのでなく、画面転送だけで済むCitrixの方が有利だという内容だ。Citrixとの関係はどのように考えているのか。

オ・デル FileMakerとCitrixとは相性の良い組み合わせ(編注:Citrix XenDesktopのICAプロトコルに対応したiPadなどのデバイスは、サーバ側で稼働するFileMakerのシンクライアントとして利用できる)。FBA(FileMaker Business Alliance)に参加しているパートナーの中には、Citrixの認定資格を持ち、連携ソリューションを提案している例もある。

 最近ではCitrixクライアントとして、iPad用「Citrix Receiver for iPad」とiPhone用「Citrix Receiver for iPhone」が登場したので、これらを活用すればFileMaker Goを超える可能性も考えられる。ただし考慮しておかねばならないことは、Citrixの環境を整えるには相応の投資が必要になること。おそらくユーザー数100人以上といった規模でなければ、投資対効果が得られないのではないか。

 また、われわれとしては、FileMaker Goの使い勝手に対する自負もある。ホストされたデータベースに、ネットワークを介してiOSデバイスから直接アクセスできる利便性は高い。MacやWindows上で動作するFileMaker ProクライアントからFileMakerデータベースにアクセスするのと同じだからだ。なお、iOSデバイス上のローカルファイルからのシンクの機能は提供されていないが、スクリプトを書けば同じような機能を実装できる。

日本市場は、欧州全体に匹敵する規模

エプリング 今後の製品展開について具体的な内容を話すのは難しい。だが3つの重要な要素を紹介したい。

 まず、いまだに景気後退局面から抜け出しきれていない経済状況でありながら、FileMakerの売り上げは非常に好調で、高い利益率を維持している。そのため、R&Dには積極的な投資を行う。

 次に、ファイルメーカーは、数年前とは違う会社に生まれ変わったということ。企業規模も、プロダクトの質も、企業コンピューティングの市場を変えうる力を持つにいたった。加えてFileMaker Goでは、“iOSプラットフォームにおけるデータベースプロダクトのマーケットリーダー”という、新たな自信も得た。われわれが新たなソフトウェア市場を創出するのだ、という思いを強く持っている。

 そして、忘れてはいけないことは、ファイルメーカーにとって、日本は米国に次ぐ巨大な市場であるということだ。全体売上の約4分の1を占め、欧州全体と並ぶ規模となっている。また日本には、強力なユーザーコミュニティーがある。開発/トレーニングキットの優先的なローカリゼーションは当然のこととして、日本のユーザー、パートナー向けにはしっかりと投資していく計画だ。

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