日本のグローバル展開を支えるクラウド 東芝ソリューション

東芝ソリューションが年次イベントを開催。同社の統括技師長がクラウドに対する強い期待を示した。

» 2010年11月15日 18時33分 公開
[伏見学,ITmedia]

 東芝グループのITソリューション分野を担う東芝ソリューションは11月11日〜12日の2日間で、自社の最新技術や取り組みなどを紹介する年次イベント「東芝ソリューションフェア 2010」を開催した。初日の基調講演に登壇した同社取締役 統括技師長の落合正雄氏は、「クラウドコンピューティング」を軸にしたサービスこそが日本の未来に寄与することを強調した。

東芝ソリューション 取締役 統括技師長の落合正雄氏 東芝ソリューション 取締役 統括技師長の落合正雄氏

 世界における日本の国際競争力の低下が著しい。国際通貨基金(IMF)が発表する一人当たりのGDP(国内総生産)に関して、日本は2000年に全世界で3位につけていたのに対し、2008年には23位と大きく落ち込んでいる。人口減少も深刻な問題で、現在1.3億人となる日本の総人口は、2030年には1.2億人に、生産年齢人口に至っては、現在の8160万人から6900万人まで目減りする予測が出ている。

 こうした事態を受けて、経済産業省は「産業構造ビジョン2010」を発表した。具体的には、(1)産業構造の転換(2)企業のビジネスモデル転換の支援(3)「グローバル化」と「国内雇用」の二者択一からの脱却(4)政府の役割の転換、という4つの方針を基に、官民が一体となり国家を挙げて産業のグローバル競争力強化に乗り出すとしている。

 これを実現するための活動を支えるのがITであり、特にクラウドが日本のグローバル化に向けた突破口になるという。「クラウドによって、ビジネススピードの向上、TCO削減、アセットライト(資産圧縮)、新規ビジネスの創出が期待できる。中でも重要なのがビジネスの創出だ。クラウドを利用すれば分野を超えてさまざまなコミュニティーやサービスを相互につなぐことができ、企業連携も進むはずだ」と落合氏は力を込める。

 同社では、クラウドを顧客の経営課題を解決する手段と位置付け、積極的に事業支援をしている。独自のクラウド基盤を設けるとともに、クラウドシステムの導入から構築、運用までをワンストップでサポートする。それに関連した製品やサービスも随時提供していく。

「クラウドに関する議論は、決してインフラに関する技術的な側面だけにとどまらない。人と企業と社会をつなぎ、ビジネス価値を生み出す側面も見逃すことはできないだろう」(落合氏)

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