「Chrome OSはクラウドを実現する」――GoogleのシュミットCEO(1/2 ページ)

Chrome OSを披露したイベントで、シュミットCEOは「WindowsおよびMacと並ぶ第3の選択肢を提供する」と語った。

» 2010年12月14日 15時46分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Googleは「Chrome OS」でクラウドへの注力をさらに強化する考えだ。同OSはNetbook用のWebプラットフォームで、Googleのエリック・シュミットCEOによると、信頼性の高いネットワークとディスクレスマシンの利用を基本とするという。

 Microsoft WindowsベースのPCおよび米AppleのMacは、ローカルハードウェア上に置かれたソフトウェアに大きく依存するのに対し、GoogleはChrome OSによってChromeブラウザ用のWebアプリケーションの普及を促進する考えだ。

 Chrome OSでは、ユーザーがソフトウェアをダウンロードしたりデータをマシン本体に保存したりすることはない。データはGoogleのクラウド内に置かれ、全世界のデータセンターに配備された多数の並列サーバで管理される。

 開発者が作成したアプリは「Chrome Web Store」に置かれ、ユーザーは同ストアで提供されるアプリを利用する形になる。Chrome Web StoreはGoogleが最近立ち上げた無償・有償アプリ用のアプリストアで、Chrome OS搭載Netbookからアクセスできる。

 シュミット氏によると、Debian LinuxをベースとするオープンソースプラットフォームであるChrome OSは、Microsoft Windows PCとAppleのMacマシンと並ぶプラットフォームとして第3の選択肢を提供するという。Linuxが勢力を伸ばせなかったことを考えれば、これは大胆な発言だ。

 「以前はクラウドコンピューティングという選択肢が存在しなかった。だが今では、強力なプラットフォームをサポートするのに必要な安定性と拡張性に優れた高速な製品が存在する」とシュミット氏はブログに書いている。「コンピュータサイエンティストたちは長い間、この可能性を追求してきたが、これまではそれを実現するための技術が存在しなかったのだ」と同氏は付け加えている。

 しかし、正式なChrome OS搭載マシンが登場するのはまだかなり先の話だ。Googleは当初、今年のクリスマス商戦に合わせてコンシューマー向けにリリースする計画だった

 バグ、パフォーマンスチューニング、デジカメ写真を取り込む手段の欠如といった問題が、順調だったGoogleの計画に水を差す格好になったのだ。

 韓国のSamsungと台湾のAcerは、2011年半ばに製品版のChrome OS搭載Netbookを発売する予定だ。それまでの間、Googleは「Cr-48」と呼ばれるノーブランドのNetbookを使ったパイロットプログラムを実施する。このマシンは、ビジネスパートナー、メディア関係者、一般ユーザー向けにテスト用として配布される。

 このマシンは起動が非常に高速であることは確かだ。米eWEEKの簡易テストでは、同マシンはカバーを開けると6秒で起動した。シャットダウンも驚くほど簡単だ。ボタンをタップするかカバーを閉じるだけでいいのだ。もうノートPCのカバーを開けたまま会議室から会議室へ移動する必要はない。

 「Chrome OS、そしてそれと連係したChromeブラウザにより、クラウドにデータを保存することが可能な、シンプルですっきりとしたインタフェースの魅力をGoogleはユーザーにアピールする考えだ」――米調査会社Jefferiesのアナリスト、ユーセフ・スクアリ氏は10月9日付のリサーチノートでこのように説明している。

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