中国発のセキュリティ技術に強み、NSFOCUSが日本法人を設立

中国のネットワークセキュリティ企業NSFOCUSが日本法人を設立し、パートナー5社とアプライアンス製品やサービスを本格提供する。

» 2011年01月20日 18時08分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 中国のNSFOCUS Information Technology(縁盟信息技術)は1月20日、日本法人「NSFOCUS ジャパン」の設立を発表した。パートナー5社を通じ、セキュリティアプライアンスとサービスの本格提供を開始する。

 NSFOCUSは、北京市を中心に中国国内に31拠点を持つネットワークセキュリティ企業。IPS(不正侵入防御)やWAF(Webアプリケーションファイアウォール)、DDoS(分散型サービス妨害攻撃)防止のアプライアンスの開発と販売、セキュリティ監視と脆弱性診断のサービスを手掛ける。主要顧客は中国の政府機関や金融、通信、エネルギー、教育など。

 設立会見の冒頭、NSFOCUS 副社長の呉云坤氏は「創業して10年になるが、毎年売り上げの20%を研究開発に投じ、中国国内に4カ所の研究施設も開設した。セキュリティ技術を追求しており、世界のインターネット環境を安全にしたい」と述べた。

 同社は2006年にグローバル化戦略を掲げ、2011年中に日本のほか、北米とシンガポールにも拠点を開設する準備を進めている。国内ではビジネスコンサルティングのインテカーが2008年からNSFOCUS製品の販売を手掛け、これを継承する形でNSFOCUS ジャパンが設立された。代表取締役社長には栗原章通氏が就任した。

設立会見を行った呉氏と栗原氏、事業統括担当の椋野慎一氏

 栗原氏は、中国が世界的なサイバー攻撃の中継地となっている点が同社の強みになると述べた。例えば日本に対する攻撃元の約8割が中国発とされるが、栗原氏によれば攻撃の実際の発信元は不明である場合が多く、中国国内のコンピュータは中継点として踏み台にされているという。「世界中からの攻撃が集中する場所で最新の脅威をいち早く解析し、最適な対策手段をユーザーに提供できる」と話した。

大手ITベンダーやセキュリティ機関ともアライアンスを締結している

 国内の事業展開について栗原氏は、アプライアンス製品の販売をベースに、セキュリティサービスで業績を伸ばす方針を打ち出す。DNSの監視サービス(DNSキャッシュポイズニング攻撃などの監視とアラート)や、仮想化対応WAFソフトの販売も計画する。初年度1億円の売り上げを見込む。

 パートナー企業にはインフィニテック、京セラコミュニケーションシステム、ソフィア総合研究所、日本ユニシス、ネットワールドの5社が参加した。各社はNSFOCUSの製品を独自に組み合わせて、診断サービスやセキュリティ運用監視サービスなども展開する予定だ。

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