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今夏に間に合うオフィスIT機器の省電力化:企業全体の節電ポリシーのガバナンス管理が節電の決定打になる

現在、多くの国内企業は、夏に向けた節電に取り組んでいる。中でも情報化社会の進展とともに増え続けてきたIT機器の消費電力削減は、企業が至急に解決すべき大きな課題である。そのソリューションとして今、注目を集めているのが、企業全体のポリシー管理の徹底によるオフィスPCの電力管理だ。


節電対策への取り組みが急務

 地震国日本においても、これまで経験したことのなかったほどの未曽有の被害をもたらした東日本大震災が発生して2カ月が過ぎた。大震災の影響は、日本国内のみならず世界経済に今なお大きな打撃を与えて続けている。中でも津波被害による原発事故が発端となって引き起こされた電力供給不足、さらに今夏には、企業の節電目標として「15%」という数値が設定されている。とりわけ、日本の中枢である関東地方に事業所を置く企業にとっては、深刻な問題である。

 こうした節電目標を達成するために、多くの企業はさまざまな形で消費電力の節約に取り組んでいる。とりわけ、大規模工場を抱える大手製造業では、生産ラインを一部停止させたり、供給に余裕のある深夜電力を活用できる時間帯に生産ラインを稼働したりといった施策がすでに始まっている。電力消費が少ない小口需要者の企業も、営業時間を短縮したり、照明や空調を最低限に抑えたりといったように、目に見える部分での節電は行われている。

 その一方、なかなか進んでいないのが、企業が利用するIT機器の節電だ。情報化社会の進展によって企業におけるIT機器の消費電力量は増加の一途をたどっており、節電に取り組まなければならないことは、多くの企業も理解している。しかし、実際には事業継続の観点からIT機器の節電を積極的に実施している企業は、そう多くはないのが実情ではないか。だが日本IBMでは、エンドユーザーが利用するオフィスのIT機器については企業でさだめた節電ポリシーを徹底し電力消費の見える化を実現するツールを導入することで、かなりの節電効果を期待できると考えているようだ。

節電目標の3分の1を達成する“秘密兵器”

 省エネルギー推進の中核機関として活動する、財団法人省エネルギーセンターによると、一般的なオフィスビルでは約6割の消費電力がオフィス占有部分で使用され、その約3分の1がコンセントを通じて給電されるIT機器やOA機器によって消費されているという。さらに、このうちの約7割はサーバやクライアントPCなどのコンピュータ機器で占められている。1台1台はそれほど大きな消費電力ではないものの、台数が多ければ多いほど消費電力は増えることになる。

 例えば、日本IBMの試算によると、床面積10万平方メートルの超高層ビルでは、オフィス全体電力の約4分の1をIT機器が消費しているという。このうち、PCの消費電力を25%削減すれば、オフィス占有部分の消費電力の約6%を削減できることになる。これは、15%の節電目標のうちの3分の1以上に相当する数値だ。企業にとって、極めて大きな節電効果が得られると言えるだろう。

 ただし、PCの節電をユーザーに呼びかけても、ユーザー自身の裁量に任せていたのでは効果の期待値は大きく下がってしまう。PCの省電力モードを一時設定してもユーザーの80%は90日以内に省電力モード解除してしまうといわれている。そこで必要なのが、企業で定めた節電ポリシーを自動的に配布しガバナンスを効かせた電源管理を行うことである。

 そのために有効なツールの一つが、日本IBMの「Tivoli Endpoint Manager for Power Management」である。このツールは、エンドポイント(クライアント)のライフサイクルやセキュリティ管理を行うツールであるTivoli Endpoint Manager(以下、TEM)のうち、電源管理機能を備えた製品だ。

大規模なクライアント環境の電源管理を一元化

 TEM for Power Managementは、省エネを実現するために企業が設定した電力ポリシーに基づいて企業内のIT機器(主にクライアントPC)にそのポリシーを適用し、節電とコスト削減を両立する役目を果たす。また散在するクライアントPCに対し、ポリシーベースの統合的な電源管理を実現できる。

 いくつかのベンダーからも省電力設定ツールが無償で配布されているが、それらと違いTEM for Power Managementは、きめ細かく電源を制御できることが特徴であり、PCの休止状態やスタンバイの方法、シャットダウン前に作業ファイルを保存するといった機能を持っている。また、Wake-On-LANのサポートにより業務時間外にリブートさせたり、昼休み時間帯や会議・外出で離席したときに自動的かつ強制的にスタンバイモードへ移行させたりといったことも可能だ。さらに、数千台ものクライアントPCがあっても、1台の管理サーバだけで運用できてしまうなど、拡張性にも優れている。

 とはいえ、情報システム部門のクライアントPC管理担当者が節電を強制してしまうと、ユーザーから「仕事にならない」という声が上がりかねない。そこでTEM for Power Managementは、そうしたユーザーへの影響を最小限に抑える工夫も備えている。具体的には、管理担当者がユーザーに対して複数の電源構成メニューを提供し、ユーザーは自分に適した電源構成を選べる、あるいはユーザーが作業中のファイルを保存してからシャットダウンするように構成できるといった機能だ。ユーザーに対して節電意識を向上させるために、使用電力量や消費電力量、電源投入時間などの分析結果をレポートとして出力することもできる。

tem1.jpg ダッシュボードで節電状況を可視化できる(画像クリックで拡大)

 コストについては、1クライアント当たり年間1220円(税別)というリーズナブルなライセンスも用意されており、コスト負担が少ないのも特徴だ。

 なお、日本IBMではTEM for Power Managementによる「PC電源管理ソリューション構築支援サービス」も実施している。これは、IBMが企業独自の電源ポリシーの計画・設計を支援するとともに、管理サーバを導入したり、管理対象のクライアントPCに電力ポリシー設定をリモートで適用する仕組みを構築したりするサービスである。

スケーラビリティに優れたエンドポイント管理ソリューション

 今回は、TEMの電源管理機能であるTEM for Power Managementにフォーカスを当てて紹介したが、TEMには電源管理以外にもクライアント管理のための機能が用意されている。

 そもそもTEMは、クライアントPCに対して更新・修正プログラムやセキュリティパッチを安全に適用するための「Patch Management」を中核とするエンドポイント(クライアント)統合管理ソリューションである。「Fixlet」というポリシーが用意されており、クライアントPC管理担当者はこのFixletに対して必要な適用条件を付加するという方法が採用されている。つまり、クライアントPCに対して更新・修正プログラムやセキュリティパッチを適用するための独自の配布用パッケージを用意する必要がないという手軽さが特徴だ。

 TEMの管理サーバは、管理対象のクライアントPCを自動的に特定してFixletを配布する。Fixletが配布されたクライアントPCは、それを実行して適用するという仕組みだ。ちなみに、前述した電源管理についても、電源管理用のFixletをカスタマイズするという方法で構成を行う。

 TEMについて特筆すべきなのは、複数の拠点に散在している数千台〜数万台に及ぶクライアントPCを、たった1台の管理サーバだけでコントロールできるという点だ。理論上の拡張性は、最大25万台だという。そうした大規模管理を実現しているのが、リレー機能と呼ばれる技術である。

tem2.jpg TEMの構成。リレー機能により多くのクライアントを管理できるのが特徴

 これは、クライアントPCに導入されたエージェントが中間サーバ的な役割を果たし、同じセグメントにある他のクライアントPCに対してソフトウェアを配布したり、クライアントPCの情報を管理サーバへ送信したりするもの。このリレー機能を使用するのに特別な中間サーバを用意する必要はなく、ファイルサーバやアンチウイルスサーバ、DNSサーバ、DHCPサーバなどと共用、あるいはクライアントPCの一部にリレー機能を持たせて運用できる。実際に米国では、10万台以上のクライアントPCを一元管理して運用する事例もあるとのことだ。

 リレー機能を果たすサーバやクライアントPCは、対象となるエンドポイントに変化があったときだけリアルタイムに情報を送信する。この分散型アーキテクチャにより、低負荷が実現されているのだという。ネットワークと遮断された環境にあるモバイルPCの管理も可能であり、ネットワークに接続された時点でリレーを経由して必要なパッチの配布・適用、情報の収集などが行われる。

 TEMでは適用対象の抽出からパッチ適用までを自動化できるので、運用管理の負荷を軽減したり、緊急度の高いパッチを迅速に適用したりできる。

 なお、TEMはこのパッチ管理機能を中心に製品が構成されており、Power Managementの他に資産管理やソフトウェア配布、リモートコントロール、OS展開、ソフトウェア仕様分析などを行うための「Lifecycle Management」、セキュリティ構成管理や脆弱性管理、ネットワークアクセス制御を備えた「Security & Compliance」という2製品がラインアップされている。これらの2製品には、いずれもPatch Managementが含まれている。

 繰り返すが、今夏の節電は国内企業にとって緊急の課題である。迅速に展開でき、管理対象のクライアントPCをスケーラブルに拡大できるTEMは、IT機器の省電力について現実解と言えるのではないか。

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年6月24日


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