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IBM Pulse Japan 2011 Preview:ポスト3.11を見据えた本当の事業継続――「実行力」の鍵はサービスマネジメントにあり

東日本大震災以降、企業の事業継続性をITで確立する動きが高まっている。だがIBMは、この流れを一過性のものとしては捉えず、企業のレジリエンシー(再生力)を向上させるという観点から、継続して取り組む構えのようだ。ここで重要になるのが「実行力」。今年のPulse Japanでは、成長につながる本当の事業継続ソリューションが一堂に会す。


 2011年の3月に開催された米IBMの年次カンファレンス「Pulse 2011」が問うたのは、クラウド、そしてサービスマネジメントの分野における「Execution」であった。ITのソリューションが、口当たりのよい掛け声ではなく経営課題に対する現実的な解であるためには、「実行力」が必要である。それを証明してみせよう――というのが、Pulse 2011のコンセプトとなっていた。

pulse2011.jpg 米国で開催されたPulse 2011の様子。サービスマネジメントの「実行力」が示された場となった。

 同時に2011年の3月は、多くの日本人にとって忘れられない月となった。奇しくも、米国でPulse 2011が閉幕した約1週間後となる3月11に東日本大震災が発生し、国民生活や企業経営に大きな負の影響をもたらしたからだ。

pulsej.jpg 昨年5月に開催されたPulse Japan 2010の様子。会場内に設けられたソリューションブースで、熱心に説明を聞く参加者たち

 ことITの分野に限っても、従来はコスト削減を目的に検討されることが多かったクラウドコンピューティングが、データの冗長化や節電という点で見直されたり、BCP(事業継続計画)の名のもとに訴求されていたソリューションが注目されたりしている現状がある。

 現在多くの企業は、この事業継続という課題に対し、従来以上の早急な対応を求められている。災害のみならず、ビジネス環境の急激な変化に対応し、事業を継続していくためのクラウド活用やサービスマネジメントソリューションを学ぶための絶好の機会になるのが、「Pulse Japan 2011」だ。

 今年のPulse Japanは、2011年10月6日(木)に、東京都内のホテルを会場として開催される。米国開催時にも掲げられた「実行力」に加え、東日本大震災を受け必要性が高まっている「事業継続」をキーワードとし、総合テーマは「事業継続と成長を実現する戦略的クラウド活用とサービスマネジメント」と定義されている。

 特別講演は米IBMでソフトウェアグループのバイスプレジデントを務めるJoao Perez氏が来日し、「スマートで俊敏なビジネスを牽引するインテグレーテッド・サービスマネジメント」というタイトルで世界の先進事例や最新の動向を紹介する予定だ。それを受けて実施される基調講演のスピーカーとしては、日本IBMの理事でありTivoli事業部の事業部長を務める荒川朋美氏が登壇し、企業のITインフラをサービスマネジメントによって継続可能な、そして成長可能なものに再構築する同社のビジョンを示すという。

 セッションは分野ごとに、AトラックからFトラックまでに分類され、総計25を超えるコンテンツが用意される予定だ。ここではまず「事業の継続と成長を支える戦略的クラウド活用(A)」、「事例に見るサービスマネジメント活用(B)」、「サービスマネジメント先進ソリューション(C)」について、個別に紹介していこう。

実行力につながるノウハウと事例を紹介

 トラックAには、直近の課題である事業継続体制の確立に向けたセッションが並ぶ。日本IBMで“クラウドマイスター”の称号を有する佐々木言氏による「プライベート・クラウドによる企業成長と事業継続の実現(A-1)」では、ITインフラおよびビジネスプロセスをサービスマネジメントの手法で最適化し、“レジリエントな企業”を作るビジョンが示される。

 それを受けて実施されるセッション「エンタープライズ・パブリック・クラウドの利用ノウハウ〜現場からの緊急報告〜(A-2)」では、IBMの企業向けパブリッククラウドによるシステム構築および運用ノウハウが事例をもとに示され、また「サービスマネジメントを加速するエクサの運用クラウド SAMaaSシリーズのご紹介(A-3)」では、サービスマネジメントの現場で必要となる資産管理やサービスデスク機能をSaaSで利用できるSAMaaSシリーズの活用手法が紹介される。キヤノンITソリューションズをユーザーとした、IBMのハイブリッドクラウド活用事例も取り上げられる予定だ(A-4)。

 トラックBには、より「事例」に軸足を置いたセッションが並ぶ。まず(B-1)セッションでは、多くのユーザー企業のシステムを預かっているIBM自身が、自社データセンターやオペレーションセンターにサービスマネジメントの手法を適用したり、事業継続に取り組んだりしてきた事例を紹介する。

 また住商情報システムでは、J-SOXに対応し海外拠点間でも標準化可能な承認ワークフローをIBMのサービスデスク製品(Tivoli Service Request Manager)で構築したというが、運用開始から1年を経たいま、大きな効果を実感しているといい、そのノウハウがセッション通じ共有される予定だ(B-2)。ツールの選定から開発のポイント、そして効果がユーザー視点で紹介されるため、サービスマネジメントによるビジネスプロセスの標準化を目指す企業には参考になるのではないか。

 Tivoliユーザー研究会(JTUG)も、「ITサービスマネジメント10の課題と運用事例に見る100の工夫(B-3)」と題しセッションを行う。そこでは、同会が10年にわたって培った知見が共有されるという。

Watosnのアルゴリズムを障害検知に生かす

 トラックCは、従来からPulseのメインコンセプトであったサービスマネジメントの最新ソリューションが主眼となる。「いま、実践のとき!サービスマネジメント最前線(C-1)」というタイトルでセッションを持つのは、日本IBMでITサービスマネジメント分野のエバンジェリストを務める岩村郁夫氏。氏は「クラウド化や節電対応といった課題に対応するには、従来型の運用管理には限界がある」とし、サービスマネジメントによる効率的なアプローチを紹介する予定だという。

 セッションC-3およびC-4では、2010年の買収によりIBM Tivoli Endpoint ManagerとしてTivoliファミリーに加わったBigFix製品によるクライアント管理効率化と、バックアップだけでなく効果的なリカバリ体制の構築までを視野に入れたIBM Tivoli Storage Manager FastBackについて、それぞれ解説される。

 セッションC-2も興味深い。「アナリティクスが実現する障害の予兆検知」をタイトルとして、障害予測製品のIBM Tivoli Analytics for Service Assuranceが紹介されるが、ここで使われている多変量解析アルゴリズムは、米国のテレビ番組で“クイズ王”と対戦し、勝利を収めた質問応答システム「Watson」のものがベースになっているという。

「ポスト3.11」を見据えた本当の事業継続とは?

 Pulse Japan 2011会場ではそのほか、「企業と社会の基盤を支えるスマートなソリューション(D)」、「事業の継続と成長を支える IBM System z(E)」といったトラックが用意される。IBMのコーポレートビジョンである「Smarter Planet」を都市や企業の視点で実現するためのMaximo製品群を中核としたスマートソリューションや、既存のSystem zユーザーにとって有益な災害対策・運用改善の事例などが紹介される予定だ。

 なおDトラックでは、IBMが2011年3月23日に買収した世界有数のiWMS(Integrated Workplace Management System)企業である、スペインTRIRIGAのビルマネジメントソリューションも紹介される見込みだ。IBMによると、企業の売上の30%以上がオフィス建築物のコストとして割り当てられているといい、また2025年には世界の電力の約42%がビル内で消費され、そのうち半分が、熱や光として廃棄されるという統計もあるという。「節電」という大きな課題に直面している日本企業にとって、力に成り得るソリューションだと言えるだろう。

 「サービスマネジメント製品最新動向(F)」は、既に課題が明確化している企業にとって特に有用なトラックだと考えられる。ユーザーの課題ごとに、それを解決する製品・ソリューションについて解説されるセッションが数多く用意されるため、答えを見出しやすい構成だと言えよう。

 なお今回、Pulse Japan 2011の会場では「IBM セキュリティ・コンファレンス2011」が同時開催される。言うまでもなく、リスクマネジメントやサイバー攻撃への対処、クラウド環境のITガバナンスといった視点は事業継続に欠かすことができない。Pulse Japan 2011の各セッションと合わせ、より“レジリエント”な企業を作るための知見を得られるのではないか。

tivoli.jpg Tivoli製品群は「ポスト3.11」に備える企業の重点投資領域をカバーしている

 上述のとおり東日本大震災以降、BCP関連ソリューションへの注目は確かに高まっている。だが、この流れは震災だけに起因したものではないという認識が、IBMにはあるようだ。

 リーマンショック以降、コスト削減の掛け声のもとに、IT基盤への投資は圧縮されてきた。その中でも企業の情報システムにかかわる人々は、次世代のIT基盤をイメージしていたが、この流れが震災により、転換したのではなく加速している、というのがIBMの見方のようだ。ここで言う「加速する流れ」を具体的に表すと、「ワークライフバランスの観点からリモートワークシステムを検討していた企業が、震災を機にBCPを目的として在宅勤務を取り入れる」という動きになる。

 BCPは、今回の震災への対応を持って終了するものではない。また、新しいビジネスモデルを構築し、成長させ、運用していくすべてのビジネスプロセスにおいて、サービスマネジメントがそのカギを握る。「ポスト3.11」を見据えたサービス基盤の再構築と、本当の事業継続計画確立に当たり、Pulse Japan 2011がその道しるべとなるだろう。

「Pulse Japan 2011」セミナー情報
日時 2011年10月6日(木)
10:00〜17:45
会場 ザ・プリンス パークタワー東京
東京都港区芝公園4-8-1
プログラム プログラム一覧を見る
入場料 無料



提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年10月5日