“Big Data”にどう立ち向かうか 日本オラクルがストレージ製品を説明

日本オラクルは同社のストレージ製品群に関する説明会を開催した。

» 2011年08月29日 18時58分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日本オラクルは8月29日、同社が提供するストレージ製品の説明会を開催した。膨大なデータ処理が求められる“Big Data”時代に突入する中、企業におけるストレージの重要性を改めて強調した。

 同社のストレージ製品群は大きく4つに分類される。主にデータベース(DB)の構造化データを処理するDBマシン「Oracle Exadata」、非構造化データを管理するNAS「Oracle ZFS Storage Appliance」、テープライブラリ装置「Oracle StorageTek Tape」、そして、6月29日(米国時間)に買収を発表したPillar Data SystemsのSAN「Pillar Axiom」である。その中でも重点的に説明されたのが、ZFS Storage ApplianceとStorageTek Tapeだ。

日本オラクルのシステム事業統括 ビジネス推進本部でプリンシパル・セールス・コンサルタントを務める寺島義人氏 日本オラクルのシステム事業統括 ビジネス推進本部でプリンシパル・セールス・コンサルタントを務める寺島義人氏

 まず、ZFS Storage Applianceの特徴について、日本オラクルのシステム事業統括 ビジネス推進本部でプリンシパル・セールス・コンサルタントを務める寺島義人氏は、「容易な管理」「省電力」「拡張性」の3点を挙げた。管理においては、直感的な操作性を実現するツールによって、ストレージの動きをさまざまな切り口からリアルタイムで管理、監視できるという。「これまでストレージをチューニングするためには、経験と勘に頼るところが大きかったが、こうした課題を解決できるようになる」と寺島氏は力を込める。

 省電力については、異なるストレージ媒体を組み合わせたハイブリッド型のストレージプールを活用することで実現可能だとしている。一般的に、ストレージは半導体メモリで構成される主記憶装置のDRAMと、ディスクストレージプールとなるHDDの補助記憶装置から成る。ZFS Storage Applianceでは、その間に読み込みおよび書き込みの2次キャッシュとしてSDD(フラッシュメモリドライブ)を組み入れることで、作業負荷に応じて3種類のメディアを自動的に最適利用する。これにより、コストと消費電力で大幅な削減が可能になるという。

 拡張性に関しては、エンタープライズ向けUNIX「Solaris」に搭載のファイルシステム「ZFS」を実装することで、128ビットまでアドレッシング(各種アドレスを割り当てること)できる。これによって、最大プールサイズ(ボリューム)が2億5600万ペタバイト、最大プール数が1600京個、ファイルシステムサイズが1万6000ペタバイトとなり、巨大なデータにも十分に対応できるのだという。このボリューム容量を評価したドワンゴなどがストレージシステムとして同製品を採用している

 テープライブラリ装置のOracle StorageTek Tapeの利点について、寺島氏は「低コスト」「省電力」「長期利用」を挙げた。同社が1.8ペタバイトのディスクアレイをバックアップしたときの社内試算例によると、容量(テラバイト)当たりの消費電力はディスクの100分の1だったという。また利用期間については、「ディスクは長くて5年間だが、テープストレージは30年間利用できる」と寺島氏は述べる。

 同社のテープライブラリにおいて、ハイエンドとなるモデルが「SL8500」である。最大容量は500ペタバイト(非圧縮時)で、最大ドライブ数は640ドライブ、最大カートリッジスロット数は10万スロット以上という。

テープライブラリ装置「SL8500」 テープライブラリ装置「SL8500」

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