Google、「P3Pへのアプローチは表明済み」とMicrosoftに反論

Microsoftが「GoogleがIEのプライバシー設定を迂回してユーザー履歴を追跡している」と発表したことに対し、Googleが「Microsoftは重要な説明を省いた」として反論した。

» 2012年02月21日 14時19分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Microsoftが2月20日(現地時間)に「GoogleがInternet Explorer(IE)のプライバシー設定を迂回してユーザー履歴を追跡している」と発表したことに対し、米Googleが同日反論した。

 Googleはメディア向けに配信した声明文(米メディアブログのMarketing Landで全文が参照できる)で、「Microsoftは今日のブログで重要な情報を省いた」とし、IEがプライバシー保護に利用している「Platform for Privacy Preference(P3P)」が時代遅れであることは周知の事実で、現在P3Pポリシーを採用しているWebサイトはほとんどないと説明した。

 Googleは以前からヘルプページ(リンク先は日本語版)で、P3Pプロトコルを使ってサードパーティーcookieをブロックしようとするWebブラウザの問題点を指摘し、GoogleがそうしたWebサイトでサードパーティーcookieを有効にしていることを表明している。

 Googleはさらに、インターネットプライバシー保護団体TRUSTeやカーネギーメロン大学の研究者による報告などを引用し、Microsoftのリクエスト通りにP3Pポリシーを使っているWebサイトはほとんどなく、Microsoftが運営するWebサイトの「live.com」と「msn.com」もそうしたWebサイトに含まれると指摘した。

 Googleは、こうしたことはずっと以前から知られており、Microsoftはこの問題にとっくに対処できたはずだとしている。

 なお、Microsoftと強い提携関係にある米Facebookもヘルプセンターの「プライバシー設定用のFacebookプラットフォーム(P3P)」というページで、「P3Pを構築したWorld Wide Web Consortiumでは、最新のほとんどのウェブブラウザでP3Pが完全にサポートされていないことを理由に、数年前、この標準に対する作業を停止しました。その結果、P3P標準は時代遅れとなり、現在ウェブで使用されている技術を反映していないため、ほとんどのウェブサイトには現在P3Pポリシーは導入されていません」と説明している。

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