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» 2012年02月24日 08時00分 UPDATE

悲しき女子ヘルプデスク物語:資格なんて机上の空論? いえいえ危険人物の取り扱いには有効です (1/3)

FEに合格して喜ぶ新卒女子。うちの会社にはMOS取得者もおおいんですって。あれ? でもなぜMS Office関連のヘルプコールが多いのかしら?

[鐙貴絵,ITmedia]

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 「FE取れたんですぅー♪」

 昨年末のある日に、昼休みの社員食堂で定食をパクついていたわたし。そこへ、当時新卒で入社した社員の1人、N子が駆け寄ってきた。

y_ill037.jpg イラスト:本橋ゆうこ

 新人向けの研修を担当したわたしは、多くの若い社員と顔なじみ(?)になっていた。うれしいことに(?)彼らは、わたしに人懐っこく話しかけてくれ、その後の研修の話題や、職場の感想などを聞かせてくれていた。

 数年前、「新入社員はETC型(“性急に関係を築こうとすると直前まで心のバーが開かないので、スピードの出し過ぎにご用心。IT活用には長けているが、人との直接的な対話がなくなるのが心配”……というレッテル)」なんて言われたこともあったけど、必ずしもそうではないということは、彼らの面倒を見たことがある人ならお分かりでしょ?

 ところで、N子の話題に戻る。

わたし FE?

N子 はいっ! 受かっていたんですっ! 自己採点ではギリギリだったから、不安だったんですけれど、正式に発表されてほっとしました。

わたし おめでとお! がんばったねー。

 ちなみにFEとは、情報処理推進機構(IPA)・情報処理技術者試験センター(JITEC)が提供する、「基本情報技術者試験」のコト。FE とは、「Fundamental Information Technology Engineer Examination」の略である。え? だったら「FITEE」じゃないの? まあ、他の試験と区別がついたらそれでいいのかも……。

 余談だが、FEより上位の試験である「応用情報技術者試験」の略称は「AP」。こっちはもっと難解である。なにせ「Applied Information Technology Engineer Examination」の略なんだから。何のことはない、APplied の最初の2文字を取っているだけなのだ。

 同様に、さらに上位の試験である「情報セキュリティスペシャリスト試験」の略称はSC、「ITストラテジスト試験」の略称はSTだ。それぞれ、「Information Security Specialist Examination」の略、「Information Technology Strategist Examination」の略なんだって。

 でも、どこをどう略しても、SCやSTにはならない。きっと、SeCurityとかSTrategist の最初の2文字を持ってきているのだろう。Securityは最初の2文字をもってきたら SE になっちゃって、「システムエンジニア」と区別がつかなくなるからSCにしたのかな。

 そんなこんなで、その日のランチタイムは、そのまま資格試験の話題に花を咲かせることとなった。

 合格したうれしさも手伝ってか、「次はAPを受けるんです♪」と意気込みを語ってくれるN子。そういえばここ数年、わたしが働いている会社でも、資格を取ることがブームになっている。一時期――1997年頃から2001年頃――にも、一大資格ブームが訪れていたように記憶している。情報処理試験のみならず、さまざまなベンダー試験が存在していた(今でも存在しているけれど)。その頃は「資格を取るのが当たり前」で、「資格を取らないと仕事にならない」と言われたものだ。つい、N子に「昔はねー」と先輩風を吹かしてしまうわたし……。

 今もそれに近い雰囲気がある。しかし何かと不景気な世の中、以前と決定的に違う点が1つある。「資格は自己責任において取得するもの」という空気だ。

 業務時間を割いて勉強することは許されない。会社は一応、土曜スクールなどというものを開いてくれている。社外のスクールから講師を呼んで、定期的に勉強会を行っているのだ。とはいえ、それはあくまでも自己啓発の一貫であり、出勤扱いにはならない。

 まあ、講師を外部から呼ぶのにもお金が掛かっているんだし、「土曜スクールに参加した社員が指定の資格を取ったら、その資格の受験料相当分の特別ボーナスを進呈する」というおまけつきだ。ようは、試験代金を会社が払ってくれるというわけ。ただし、合格した場合に限るってことね。だから会社はそれなりに社員に投資してくれていることになるんだけど、「でも業務の一貫ではありません」となると、どうしてもモチベーションの維持が難しいのよね……。

 上司の人たちにもノルマがあるのだろうか? はっきりと聞いたことはないけれど、もしかしたら「部下の○○%が資格を持っていなければならない」なんて通達が下りてきているのかもね。わたしの上司も何かと「自己啓発しろー、資格とれー」と叫んでいる。わたしも「ITIL Foundation の資格を取得してね」と言われ、泣く泣く取得したんだった……。ITIL v2の資格をとった矢先にITIL v3なるものが出て、「この間 v2取ったばかりなのに……」と思いながらもう一度取りに行ったことも良い(?)思い出だ。

 資格と一言で言っても、たくさんの資格があるわよね。わたしのようなヘルプデスク業務の人間には、どんな資格が役に立つのかしら? 「PC関係の資格」って言ってもいろいろあるから、何を取得したら良いか分からない。そういえば、ウチの社員たちはいったいどんな資格を持っているんだろう?

 そんなことを考えているところに、オタク系(?)の元上司・Aさんが食堂にやってきた。これは早速カモがやってきた。参考までに資格について聞かせてもらおうっと。

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