Androidアプリへの関心が減少――Appcelerator/IDCのモバイル開発者調査

Androidアプリへの関心は前回の調査時よりやや減少したが、「Facbook vs. Google」の観点ではGoogleが健闘していることが調査結果から明らかになった。

» 2012年03月21日 09時40分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 モバイルアプリ開発者約8割はアプリにHTML5を採用する計画――。ソフトメーカーの米Appceleratorと米調査会社IDCは3月20日(現地時間)、モバイルアプリ開発者を対象とした調査結果を報告した。

 この報告は、世界の2173人のモバイルアプリ開発者を対象に、1月25〜27日にWebで実施された調査と、484人を対象に2月21〜23日に実施されたフォローアプ調査の結果をまとめたもの。

HTML5の採用

 調査対象の79%が、2012年中にモバイルアプリでHTML5を採用すると回答した。ただし、ネイティブアプリからWebアプリに移行するのではなく、ネイティブアプリにHTML5のWebViewを組み合わせたハイブリッドアプリを開発するという回答が72%だった。

 mobile 1 2012年に開発するアプリにHTML5を採用するか(資料:Appcelerator/IDC)

Facebook vs. Google

 mobile 2 Google+はFacebookに追い付けるか(資料:Appcelerator/IDC)

 今回の調査では、ソーシャル戦略についての質問を設けた。「米Facebookのソーシャルグラフと米Googleの各種サービス(Google+、Gmail、検索、Androidなど)の影響の、どちらが自社のソーシャル戦略により大きな役割をはたすか」という質問に対し、61%が前者、39%が後者と答えた。Appcelerator/IDCは、Facebookのモバイルからのアクティブユーザー数が1カ月当たり4億2500万人であることや、ほとんどの調査結果でFacebookがGoogleのソーシャルサービスGoogle+より多くのシェアを持っていることを考慮すると、Googleの健闘は注目に値するとしている。Googleがプライバシーポリシーを更新し、各種サービスの個人データを統合したことも影響するとみている。

 FacebookよりGoogleを選んだ理由として、「GoogleのAPIの方が統合しやすい」が45%、「Facebookのモバイル戦略が理解できていない」が34%だった。

 「Google+はFacebookに追い付けるか」という質問には、66%が「はい」と答えている。追い付けると答えた回答者の68%が、その理由としてGoogleの総合的なサービスがFacebookのソーシャルグラフに勝るからと答えた。

 「ソーシャルネットワークに関して知りたいことは何か」という質問には、61%が「より良いツールやAPI」と答えている。Appcelerator/IDCは、FacebookやLinkedInなどには、開発者の教育やツールの提供によって、より開発者を取り込む可能性があると指摘する。

Androidへの関心が減少し、Windows Phoneが健闘

 「非常に興味がある」プラットフォームとして最も人気があったのは、前回の調査と同じくiOSだった。2位も前回と同じAndroidだったが、スマートフォン向けで4ポイント、タブレット向けで2ポイント前回より支持が減っている。Appcelerator/IDCはこの原因を、Androidプラットフォームの“断片化”と対応すべきハードウェアの多様化だとみている。(プラットフォームとしての)3位のWindows Phoneは前回と変わらず38%だった。

 mobile 3 非常に関心のあるプラットフォーム(資料:Appcelerator/IDC)

 Appceleratorのページから、18ページにわたる詳細なリポート(英文、PDF)をダウンロードできる(登録が必要)。

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