システム障害を回避する企業の秘訣は? IPAが調査報告書を公開

情報システムの障害が社会や経済に深刻な影響を与えるようになり、IPAでは障害発生を回避する企業での取り組みを調査した。

» 2012年04月05日 19時18分 公開
[ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)は4月5日、情報システムの障害の低減に取り組む企業の実態について調査した報告書をWebサイトで公開した。

 IPAによれば、2010年1月から2011年6月に発生した情報システムの障害頻度は、国民生活や社会経済活動に悪影響を与えた深刻な事案だけでも月に1〜3件程度(報道ベース)で発生していた。その背景には、業務の複雑化に伴う情報システムの高度化や外部環境の変化があり、情報システムへの負荷が増大しているという。

 調査は情報システムの管理体制を整備し、障害の発生や影響を抑えている、金融や製造、運輸の計7事業者の取り組みを調べ、共通する構造や特徴的な事例を整理した。その結果、障害発生の抑え込みに成功している事業者は、品質向上の取り組みをPDCAサイクルで実践し、稼働品質の目標達成に責任を負う管理責任者がそのサイクルを回していることが分かった。

 本報告書では情報システム部門の品質管理責任者(運用部門における責任者など)、事業者の情報システム全体に責任を持つCIOなどが、内部での取り組みを他の事業者と比較したり、どのような取り組みが必要かについて内部で話し合ったりする際の参考情報を提供している。

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